院長ブログ

眼科手術学会2020

先日、東京国際フォーラムで開かれた『眼科手術学会』にスタッフと参加してきました!
 
たまプラーザやまぐち眼科はお子さまから働き盛りの若い世代、高齢の方まで検査も治療も幅広く対応したいと思っておりますが、中でも最も力を入れているのは『眼科手術治療』です。
ですので、眼科の学会にも色々ありますが、この眼科手術学会は僕がとても楽しみにしている学会の一つです。
 
白内障の分野ではやはり多焦点眼内レンズ、とりわけ、3焦点眼内レンズPanOptixの成績が良好で今後、しばらく多焦点眼内レンズの中心になるかと思われます。ただ、今までの2焦点眼内レンズが悪い訳でなく、異なる種類の2焦点眼内レンズを組み合わせることで近くから遠方まで見ることも十分可能ですし、患者さまの眼の状態やライフスタイルによっては2焦点眼内レンズの方が向いている場合もあり、ますます患者さまとよく話をして適切なレンズを選ぶことが大切だと感じました。
また、通常の保険診療でも使用可能な単焦点眼内レンズに含まれる『レンティスコンフォート』というある程度の焦点の幅があるレンズの発表も多く、こちらもよい結果で『保険診療のレンズだけれど、遠くだけでなく中間距離くらいまでは見たい』という方にはとてもよいレンズだと思いました。(レンティスコンフォートについてはまた改めて書きたいと思います)
 
それと、手術には必ず必要な麻酔ですが、当院でも取り入れている『笑気麻酔』についての話題も多く、痛みの出やすいまぶたの手術や手術時間の長い硝子体手術だけでなく、白内障でも笑気麻酔を使うことで、患者さまはだいぶ楽に手術が受けられるようです。
当院でも小さいお子さんの霰粒腫などの処置や眼瞼下垂、硝子体手術ではほぼ全員に笑気麻酔を使っていますが、少しでも楽に手術を受けていただけるように白内障の手術でも積極的に使っていこうかと思いました。(白内障手術を受けられる方で笑気麻酔ご希望の場合は遠慮なくおっしゃってください!)
 
もう一つおもしろいと感じたのは、ある勉強会で『縫合なし強膜内固定レンズ』というものの存在です。
白内障手術の際、何らかの理由で眼内レンズを入れるための袋(水晶体嚢)が残せない場合、眼内レンズの脚(支え)を眼の壁に縫いつけたり(縫着術)、埋め込んで固定(強膜内固定術)しなければなりません。このような手術はだいぶ進歩していますが、それでも、元々は水晶体嚢の中に入れるために作られたレンズを利用するため、手技の煩雑さと術後の見え方の不安定性が問題となります。この縫合なし強膜内固定レンズはこういった課題をクリアするために作られたレンズで、海外から輸入して自由診療で使わなければなりませんが、手技がより容易になり、眼への負担が少なく、術後により安定した見え方を狙うことができそうです。術後の乱視用や多焦点用もあり、今後、このレンズの恩恵を受ける方も増えるのではと感じました。
 
休診で患者さまにはご迷惑おかけしてしまいましたが、新しい知識を吸収し、勉強してまいりました。休ませていただいた分、しっかり今後の診療に活かしていきたいと思います!
また僕だけでなくスタッフも熱心に勉強していました。みんなでよりよい眼科クリニックを作っていきたいと思っています。
これからもスタッフ一同頑張りますので、どうぞよろしくお願い申し上げますm(_ _)m
 
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