両眼の白内障手術について、お問い合わせがありましたのでブログに書いてみたいと思います。(何かの本の題名みたくなってしまいましたが、、、)
両眼の白内障手術の場合、まず片方の眼(通常、白内障が強い方から先に手術します)を手術して、また他の日にもう片方の手術をすることが多いです。
手術と手術の間隔は1週間ほど空けることが多いですが、患者さまのご希望により数日や2週間後という方もいらっしゃいます。
しかし、片方片方で他の日に手術をしなければならないということはなく、両方の眼の手術を同じ日にする両眼同日白内障手術も行っております。
両眼同日の手術の場合、眼帯をつけることができないので、当院では手術の後用の保護メガネをして帰っていただきます。
手術終了後の安静も特に長くする必要もなく、片眼の場合と変わりなくお帰りいただく方がほとんどです。
術直後は軟膏と瞳孔が開いているため、見えにくさがありますが、術後4〜5時間程で見やすさが出てくるようです。
また、『手術のリスクは上がりますか?』とよく聞かれることがありますが、右眼と左眼で別々の器具を使用しますので、単純に右眼と左眼と別々の手術になります。
左右で同じ器具を使うと感染症のリスクが上がる可能性はあるかと思っていますが、別々に新しい器具を使えば感染症のリスクが上がることもなく、合併症の心配が増えることはないと考えています。
両眼同日白内障手術が向いている方は
・近視や遠視が強い方
通常、手術の後は前のメガネがかけにくくなりますが、近視や遠視が強いと片方の手術の後もメガネをかけたい場合、かけにくくなって不自由が出ることがあります。
・術後の見え方(ピント)についてはっきり希望がある
3焦点多焦点レンズ希望や単焦点レンズで遠くが見えるようにしたいなどレンズや見え方の希望がはっきりしているとレンズの種類、度数を決めやすいため左右で日をずらして調整する必要性が少なくなります。
・ご高齢の方、お体の不自由な方、お忙しい方
手術が一度で済み、術後の通院の頻度も減らすことができます。
・術後の生活制限期間を短くしたい方
術後は洗髪や運動などの制限がありますが、片眼ずつですとその期間が2回ありますので、両眼同日手術の場合、その期間が半分で済みます。
逆に別々の日に手術をするメリットとしては、ピントについてのイメージがうまくできない場合や左右であえて度数の差をつけてピントの幅を広くするは左右でレンズの種類や度数を調整する必要が出る場合があり、片眼ずつの手術がおすすめです。
白内障手術は片眼ずつの手術が多いかもしれませんが、手術自体は両眼同日でも問題ありませんし、患者さまによってはその方が向いている場合もあります。
片眼ずつの手術と両眼同日の手術でそれぞれメリット、デメリットがありますので、どちらの方が自分に合っているかをよく考えてお選びいただければと思います。