院長ブログ

先週の手術(2021年1月第4週)

先週は12729日が手術日(霰粒腫などは随時行なっています)でしたが、白内障18件、硝子体手術3件、眼内レンズ交換2件、霰粒腫7件、涙管チューブ挿入1件でした。
(手術の報告ばかりですみません、、、)

硝子体手術のお一人は、先々週の金曜日に当院初診となった患者さまで、水晶体の支え(チン小帯)が弱く、隅角(眼の中の水が眼の外に流れ出る部分)が狭くなってしまい急性緑内障発作を起こしそうな心配と黄斑上膜があったので、手術を考えていただいていたのですが、その3日後の夜に緑内障発作を起こしてしまい、夜間緊急で聖マリアンナ医大病院で眼圧を下げる点滴治療をしていただき、落ち着いたところで当院で手術をさせていただきました。(聖マリアンナ医大病院の眼科当直の先生、どうもありがとうございました。)

チン小帯が弱く、水晶体がほぼ脱臼した状態でしたので、カプセルエキスパンダーという器具(昭和大学藤が丘病院の前教授谷口先生が開発した器具です)で水晶体を支えながら白内障を吸引し、硝子体手術で黄斑前膜を剥がし、最後に眼内レンズを眼の壁に固定(眼内レンズ強膜内固定)しました。このようにチン小帯が弱いと単純に水晶体の袋(水晶体嚢)に眼内レンズを入れてくることができないので、眼の壁(強膜)に眼内レンズの支えを埋め込む方法が必要になります。

水晶体の支えが弱くなると、急性緑内障発作を起こして視神経に強いダメージを残してしまったり、白内障手術の難易度が上がり大変になるので、早めに手術をした方がよいかと思います。

しかし、手術をした方が安心ですよとお話ししても、その時点では症状が無いことが多く、患者さまとしてはなかなか手術への踏ん切りがつかない場合も多いかと思います。

幸い、この患者さまは急性緑内障発作を起こしても早めに対応いただけたので、今回の手術の後、2回目の診察(術後5日)で矯正視力1.2(術前視力0.5)まで改善してよかったですが、もっと早く手術をしておけばよかったというケースもありますので、チン小帯が弱く緑内障発作を起こしやすい眼の方は手術についてお考えいただけると幸いです。

先週は眼内レンズ交換も2件あり、盛りだくさんでしたが、長くなってしまったので、こちらの話題はまた今度にしたいと思います。

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