院長ブログ

12月3日(金) 今日も緊急手術

今日は午前外来で午後は手術でした。

手術は白内障11件と黄斑上膜の硝子体手術が1件でした、、、が、手術中にお近くの眼科から患者さまのご紹介があり、といっても、2年前に当院で白内障手術をした患者さまですが、網膜剥離で予定の手術が終わった後、診察させていただき、そのまま緊急で手術(硝子体手術)をさせていただきました。(先週も似たようなことを書いた気がします、、、)

予定手術は白内障と硝子体合わせて12件でしたが、患者さまの人数は8人で、2人は両眼同日手術でした。
お二人とも近視が強く、一人は−20D、もう一人は−7Dくらいで片眼ずつの手術では術後に眼鏡が使いにくく、不便なので両眼同日手術となりました。ちなみに、−7Dの方は右は白内障のみ、左は白内障+硝子体手術で白内障のみの眼は多焦点レンズ、硝子体手術も行った眼は単焦点レンズ(アイハンス)を使いました。

外来では白内障手術の申し込みが2人来てくださいました。
お一人は60代の女性の方ですが、10年くらい前に前房型のICLを入れた後で、白内障が進行していました。50代半ばでICLを入れたそうですが、その後、白内障が進行すると、ICLでよく見える期間が限られてしまうため、個人的にはICLを入れるにはあまり適切な時期ではないと思っています。でも、この患者さまは『ICLを入れた後はしばらくすごくよく見えてうれしかった』とおっしゃっていましたので、決して悪い選択ではなかったのだと思います。ちなみに、そのICL手術のせいか分かりませんが、角膜内皮細胞といって角膜を透明に保つための細胞の密度が700くらいとかなり下がっていました。この角膜内皮細胞密度が500を下まわると、角膜の透明性が保てず、角膜の濁りを生じてしまうことがあります(その場合、見え方を改善するには角膜移植が必要になります)。手術をすると角膜内皮細胞は多少減るので、今回の手術で更に角膜内皮細胞が減る可能性は懸念されますが、白内障が進行すればする程、手術の侵襲は大きくなりますし、白内障でほとんど見えなくなってしまう可能性もあるため、今回、手術が好ましいと判断しました。また、ちなみにですが、ICLが入っていると、まずICLを取り出す手術が必要になり、その後、白内障に必要な検査を行い、それから白内障の手術という段取りになります。なるべく、眼に負担をかけないように、角膜内皮細胞を少しでも保ち、角膜が濁らないような手術を行いたいと思います。

今週も中々忙しい1週間でしたが、明日、もう半日頑張ります。

↑今日の緊急手術の網膜剥離の眼底写真。

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