今日は一日外来で最後に霰粒腫と眼瞼腫瘤の切開が1件ずつ(4歳と5歳の女の子)ありました。手術の申込みは白内障3人、眼瞼下垂と糖尿病網膜症による硝子体出血の硝子体手術、霰粒腫が1人ずつでした。
外来では栃木県の大田原から昨年の夏に栃木県内の大学病院で硝子体混濁に対し、硝子体手術と白内障手術を行い、術後経過良好で1月に終診となったそうですが、また見えにくさが出て再受診したところ、『硝子体の濁りがあり、点眼で様子を見て、改善がなければ再手術』と言われ、点眼をしても全く変化がなかったので、当院で治療中のお知り合いの方の紹介でいらっしゃいました。硝子体の濁りというので、ぶどう膜炎?と思ったのですが(前医でもぶどう膜炎の検査は行ったもののはっきりした原因が分からなかったようです)、眼の状態を診させていただくと、眼の中の炎症は全くなく、水晶体のすぐ裏側の硝子体(前部硝子体)の濁りがあり、おそらく、最初の手術取り残した硝子体が単純に変性して混濁し、それが見えにくさの原因になっていると思われました(手術の詳細が不明のため、はっきりしたことは言えませんが、、、)。手術までしなくとも、YAGレーザーで濁りを飛ばせそうだったので、まず、レーザーでの治療をさせていただきました。もし、これで改善が見られない場合は、手術が必要かもしれませんが、よくなってくれるといいなと思います。
霰粒腫の切開の4歳の女の子は名古屋から来て下さいました。半年くらい前に右の下まぶたに霰粒腫ができ、お近くの眼科で点眼やステロイドの注射をしたけれど、よくならなかったそうです。ステロイドの注射でよくなる場合もあるようですが、逆に悪くなってしまう場合もあるので、僕は霰粒腫にはステロイド注射はしない方針でいます。今回はそんなにおかしくはなっていませんでしたが、通常よりは硬い霰粒腫という印象で、何らかの影響はあるように思ました。でも、腫瘤自体はきれいに取ることができてよかったです。
遠方からの霰粒腫のお子さんは処置後、こちらの近くのホテル(といっても、溝の口とか二子玉川あたりになってしまいますが)にお泊まりいただき、翌日、診察させていただいて地元にお帰りになる場合もありますが、今回は今日、お家に帰宅し、お近くの先生に診察をお願いしながら、術後の写真をメールで送っていただく形とさせていただきました。このように、ケースバイケースで柔軟に対応したいと思っていますので、もし、遠方からの処置をお考えの場合は参考にしていただければと思います。
それと、先月、霰粒腫の切開をした26歳のウクライナ人の男性の術後1ヶ月の診察がありました。『ウクライナの方はどうですか?』と聞くと、悲しそうな顔で『あんまりよくない』と、、、それからスマホの翻訳アプリで『pray for better』という(感じの)言葉を見せてくれました。なかなかできることはないかもしれませんが、少しでも早く戦争が終わり、ウクライナに平和が訪れることを祈ります。