今日は一日外来で手術の申し込みは白内障9人、眼瞼下垂3人、霰粒腫1人でした。
3月の終わりに眼内レンズの入れ換えを(単焦点の遠方合わせから、アイハンスを軽度近視合わせに)した50歳女性の方の診察がありましたが、『生活ができるようになりました。仕事もできるようになりました。涙が出るくらいうれしいです。』とおっしゃってくださいました。今日の視力で遠方0.7、中間70cm 1.2、近方30cm 0.6という結果で手術する前よりは近方〜中間距離を見やすくできたかなと思いますし、何より、患者さまが喜んでくださったら一番です。この患者さまは前の病院であまり詳しい話を聞けずに、レンズのピントを遠方に合わせる同意書にサインしてしまって、、、とおっしゃっていました。この眼内レンズのピントの同意書というのはあくまで『確認書』のようなものです。『遠くに合わせる』にチェックをして、手術して遠くが見えるようになって、その代わり、近くが見えにくくて困ってしまった場合、『この同意書があるからもうどうにもできませんよ』という効力は基本的にありません。もちろん、確認の上、予定通りの手術をしている訳なので、医師が悪いということではありませんが(説明不足な部分はあるかもしれませんが)、眼内レンズの見え方はあくまで予想で、実際の術後の見え方が思った通りでない可能性はどうしてもあると思います。それで困ってしまうなら、やっぱり何かしらの治療を行うことが、手術をする者の責任だと僕は考えています(もし、その治療ができないなら、できる医師に紹介する必要があると思います)。今回のような眼内レンズの入れ換えは、自分がした白内障手術であればするけれど、他でした手術の入れ換えはしないという先生もいるようです。色んな考えがあると思いますが、自分がした手術でも他の先生がした手術でも患者さまが困っているなら、そんなのは全く関係ないと僕は思っています。患者さま自身も術後の状態をなんとかしようと『眼内レンズを入れ換えたい』と言うのは、勇気のいることだと思います。できることもできないこともありますが、そういう患者さまの気持ちに少しでも応えられるように頑張りたいと思います。
↑入れ換えした眼内レンズもきれいに収まっています!