(※本文の最後に手術時の写真があります。苦手な方はご注意ください。)
今日は午前が外来、午後は手術で白内障7件、眼瞼下垂と眼瞼腫瘤が1人ずつでした。
眼瞼腫瘤は5歳の女の子で右眉毛の外側の少し下に生まれた時からしこりを触れていて、一度、他の眼科で診てもらった時には『いずれなくなる』と言われたそうですが、なくなるどころか徐々に大きくなっているようで、今回、お母さんが切開を希望され、今日、手術を行いました。腫瘤ができた位置、触った感触から、『デルモイドシスト』という病気が予想され、悪い病気ではなさそうでしたが、結構、大きくなっていたので、手術で取ってあげた方がよいかと思いました。
小さい子の手術(処置)は全身麻酔が必要とされることも多いですが、当院には全身麻酔の設備は無いので、鎮静剤の内服と笑気麻酔をした上で、局所麻酔の注射をして切開なのどの手術を行っています。そこまで強い麻酔ではないので、全く寝てしまうことは少ないのですが、今日も起きたままでおしゃべりをしながらでしたが、約40分の手術(途中、おしっこをしたくなってしまったようでトイレ休憩があったので、正味30分くらいだと思います)をほとんど泣くことなく終えることができました。麻酔の効き方によっては泣いてしまって手術が大変なこともありますが、この子は頑張ってくれてえらかったと思います。頑張ってくれて、どうもありがとうございました。
小児の処置も全身麻酔をしなくとも、ある程度のことはできるかなと思っていますので、もし、全身麻酔に躊躇している方はご相談いただければと思います。
ちなみに、摘出した腫瘤は皮膜に包まれた黄色の内容で中に毛髪と思われる組織も含まれ、デルモイドシストでよさそうです。デルモイドシストは自然にはよくなりませんし、あまり大きくなってしまってもキズを大きくしないと摘出できなくなってしまうので、これでもよい時期に手術できてよかったのではと思います。
↑右眉の外側の下のあたりが腫瘤で盛り上がっています。
↑皮膚を切開して剥離すると腫瘍が見えてきます。
↑大きな腫瘍が取れました。
↑最後に皮膚を縫って手術を終えました。