院長ブログ

昨日のランチ

昨日はお昼にある患者さま(近藤さん)とごはんをご一緒させていただきました。

近藤さんは昨年、他の眼科で白内障の手術を受け、その眼内レンズ交換目的で10月に受診され、12月に眼内レンズの摘出をしました。眼内レンズ交換目的で実際の手術がレンズの摘出というところは、ちょっとややこしいのですが、近視が強い人では、レンズの度数がゼロでも目的の距離にピントが合う場合があり、度数ゼロのレンズを入れることもあります。でも、近藤さんは強度近視に加え、円錐角膜もあり、レンズの度数計算がズレやすかったので、レンズを入れてズレてしまう可能性を考えると、ひとまず、レンズは取るだけ取り出して、落ち着いた時にやっぱりレンズが必要なら、改めて入れましょうという方針でレンズ摘出のみ行いました。ちなみに、術後約半年ですが、今のところ、眼内レンズがなくとも見たい距離がある程度、見えていて、経過としては良好と思います。

前置きが長くなったというか、やや話が脱線してしまいましたが、近藤さんとの出会いは昨年9月にメールでご相談を受けたことです。その後、10月の初診となりましたが、メールでのやり取りをたくさんしていたので、初めて会ったという感じは全くなくありませんでした。なぜ、メールでのやり取りが多かったかというと、近藤さんは僕の故郷の栃木県の那須(僕は佐野ですが)にお住まいで、なかなか気軽に受診という訳にもいかず、事前に手術の経過や眼の状態を可能な限り、教えていただき、再手術によって、改善が見込めるか、どのような手術が最適かをメール上でディスカッションしました。

術後は直後の数回の受診の後は地元の眼科で診ていただき、術後半年の経過観察でご来院いただいた今回、前から願っていたランチを一緒する機会を作ることができました。近藤さんは以前は海外でお仕事をされていたそうで、今回も那須からと遠方からですが、手術を受けにいらっしゃるフットワークの軽さやチャレンジする気持ちは、今までの生き方からなのかなと思いました。

僕は医師として診療をしていますが、病気や眼の状態だけをみるだけでの診療はしたくないと思っています。患者さまによっては、眼だけみてくれればいい、病気を治してくれればいいよと思う方もいらっしゃると思いますし(もしかすると、そういう方の方が多いかもしれませんが、、、)、もちろん、病気はしっかり治したいと思っています。前もどこかで触れたかもしれませんが、僕が医師を目指そうと思った理由の一つは、中学2年生の時、脚の怪我をして1年間走れなかった経験からです。その時、通っていた整形外科の先生に『陸上部なので走れなくて困っている』と話したら、『そんなことは聞いていない』と言われ(今の時代はこんな風に言う医師は少ないかもしれませんが)、子供ながらに結構、ショックで、そんなことないでしょ、人によって大事なことは違うでしょと思い、『患者さんの大切なことを大切にする医者になりたい』と思ったことが医師を目指したきっかけの一つです。そのためには、単に眼だけ、病気だけ診るのではなく、その患者さまがどんな人なのか、その人にとって何が大切なのか知ることが大切だと思っています。ですので、もしかすると、診察の時に余計なことを聞いてしまうこともあるかもしれませんが、その時はどうかご容赦ください。でも、中学生の時の気持ちはずっと変わっていない気がしますし、これからも、そういう、人と人としてのつながりのある医療をしていきたいと思います。

近藤さん、昨日は楽しかったです。どうもありがとうございましたm(_ _)m

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