院長ブログ

京都から

今日は一日外来で、夕方に霰粒腫の切開が1件でした。
手術の申込みは白内障と眼内レンズ交換が1人ずつでした。

眼内レンズ交換の手術をご希望の患者さまは46歳の男性で京都からでした。問診票の住所を見た時に、最初、なんとなく『東京都』に見えて都内から来てくだったのかと思いましたが、京都府からわざわざ来てくださったそうです。

今年の1月にお近くの京都の眼科で左眼の白内障手術を受け、遠方に度数を合わせたそうですが、あまり遠くがよく見えず、白内障がなくて遠方がよく見えている右眼との差が強く、レンズの入れ換えを希望されたそうです。手術してくれた眼科でも相談したそうですが、レンズの入れ換えはしていないと言われ、京都のみならず関西や九州の方までレンズの入れ換えをしてくれる眼科を探したけれど、みつからず、僕のところまで来てくださったそうです。眼鏡で見えればいいじゃないか?と考えてレンズ交換はしない先生も多いと思います(単焦点ではそれでもよくとも、多焦点の不具合ではそうはいかないのですが、、、)。でも、本当は、眼内レンズの入れ換えをしていても、あまり表には出していない先生もいらっしゃるのではと思います。

理由は、おそらく、できればしたくない手術だからだと思います。レンズと水晶体嚢との癒着、入れ換えたレンズでの見え方、角膜や虹彩など眼内の他の組織への影響など、不確定な要素があり、『安全』とか『手術すればすごくよくなります』と一概に言えない面のある手術であり、積極的にというよりは、『どうしてもならしますが、、、』という手術と考える先生が多いからではと思います。そして、レンズの入れ換えをしてよくなるか、手術のリスクや合併症など、話すことがたくさんあり、正直、説明はとても大変です。自分が手術した患者さまならいいけれど、他で手術をした方までは対応したくない(できない)と考える先生もいらっしゃるのではと思います。

逆に、なぜ僕が情報を出しているかと言うと、やっぱり困っている患者さまが多いと感じているからです。困っている人に、医師としてできることがあれば、なんとかしたいと、力になりたいと思うからです。そんな訳で、眼内レンズ交換もこのブログもやっていますが、僕の経験や考えが困っている方に少しでも参考になればうれしいです。

↑京都からの患者さまの眼内レンズの写真。

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