院長ブログ

40歳以降のICL

今日は午前だけの外来でしたが、連休の合間でより少ない予約外の方の診療日なので、朝から並んでいただき、どうもありがとうございました。

手術の申し込みは、白内障が1人と霰粒腫が2人(4歳男の子、5歳女の子)でした。

昨日、近視を矯正するいわゆるICL治療を希望された39歳の女性の患者さまのお話になりますが、40再前後でICLLASIKなどの屈折矯正手術をするかどうかという問題があります。

何が問題になるかというと、一つは40歳を過ぎてくると出てくる老眼です。20代の若い頃は、ピントを合わせる調節力が十分働くので、近視を手術で矯正しても、近くも全く問題なく見ることができます。しかし、老眼の眼になってから近視を矯正して遠方をしっかり見えるようにすると、近くにピントを合わせにくい状況になっていまします。もう一つは、老眼とも関係しますが、少しずつ白内障が出てくることです。白内障が出てくれば、その濁りにより見えにくさが出てしまったり、白内障が進むことで屈折(近視や乱視の値)が変化して見えにくくなってしまうこともあります。

僕は扱っていないのですが、老眼に対応したICLのレンズや、レーシックも老眼用のレーザー照射法もあるようですが、光を分ける構造上、見え方の質はおそらく、多少、下がるのではと思います。白内障が進んで手術が必要になると、ICLのレンズは取り出さなければなりませんし、LASIK後では若干、レンズ計算が難しくなります。

40歳以降では、費用をかけて屈折矯正手術を受けても、マイナス面が面に出てくる時間が早いと数年〜10年くらいの可能性があり、『遠くも近くも裸眼で快適に見る』期間が少し短めになってしまうこともあるので、手術を受けるかどうかを慎重に考える必要がありますが、それでも『裸眼で遠くが見たい』と思えれば、屈折矯正手術を受けてももちろん、ダメということもなく、実際、40代以降でICL手術を受けてとても喜んでいる方もいらっしゃいます。

治療の効果や費用に対しての考え方や価値観は人それぞれだと思いますし、大切なのはそのメリットとデメリットをご理解いただき、よく考えて答えを出すことだと思います。そうして出した答えであれば、尊重されるべきだと思っていますし、もちろん、できる限りの治療はさせていただきますので、ご希望は遠慮なくおっしゃっていただければと思います。

↑知人からもお祝いのお花をいただきました、どうもありがとうございますm(_ _)m

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