今日は午前が外来で午後は手術で、手術は白内障11件、眼瞼下垂1人、霰粒腫の切開2人(2歳女の子、44歳女性)でした。
眼瞼下垂は正確には偽眼瞼下垂(眼瞼皮膚弛緩)の状態で余った弛んだ皮膚を切除する手術(皮膚切除)でした。このまぶたの皮膚を切除する方法には2通りあります。一つは睫毛の生えている方の皮膚を切除する睫毛側皮膚切除、もう一つは眉毛の下の皮膚を切除する眉毛下(びもうか)皮膚切除です。それぞれ、メリットとデメリットがありますが、今回の患者さまは元々二重があり、若干皮膚が重ためで、眉毛がしっかりあるので、眉毛下皮膚切除で行いました。ちなみに、まぶたを持ち上げる眼瞼挙筋の働きが弱ってしまっている本当の眼瞼下垂では、この眉下切開で眼瞼挙筋にアプローチできないので、基本的に眉下切開で本当の眼瞼下垂を治すことはできません。もし、眼瞼下垂でまぶたの皮膚が厚く、眉下切開を行う場合は、2回に分けて、最初に眉下皮膚切除を行い、その後、眼瞼挙筋を修復する手術を行いようにしています。
眉毛下切開はしばらく眉毛の下のキズが目立ってしまいまうのと、睫毛側の切除よりもしっかり内部まで縫合をする必要があり時間もかかりますが、元々二重があり、皮膚が厚めの方の皮膚切除には向いている術式だと思っています。もちろん、どちらでないといけないということはなく、最終的には患者さまのご希望で術式を決めていますが、患者さまもよく考えて切除の方法を決めることが大切だと思います。
↑今日の眉毛下皮膚切除の患者さまのまぶたの写真。