院長ブログ

星状硝子体症の硝子体手術

今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術は白内障12件、眼内レンズ交換1件、硝子体混濁(星状硝子体症asteroid hialosis)の硝子体手術1件、強膜内固定1件でした。

星状硝子体症は硝子体中に小さな濁りの粒がたくさん生じている状態で、あまり視力に影響はないとされていますが、飛蚊症の症状が強かったために、手術治療の適応と考えました。
ただ、硝子体手術では硝子体の一番外側の硝子体皮質を網膜から剥がす『硝子体剥離』を作る操作が難しく(硝子体皮質と網膜の癒着が強いため)、今回の患者さまでも硝子体剥離を起こす操作の際に、網膜の弱い変性巣が穴になって、一部、網膜が剥がれてしまいました。そのため、硝子体手術では眼の中に水を入れて手術しますが、水を空気に換え、網膜の下に入り込んだ水を抜き、網膜を元の位置に戻し、穴の周りをレーザーで固め、最終的に空気を医療用のて手術を終えてきました。ガスを入れると、術後しばらくの間、見えにくい状態が続いてしまいますが、視力自体にはあまり影響が出にくい星状硝子体症の手術で視力障害が出てしまうことはなんとしても避けたいところですので、なるべく確実に治るようにガスを入れてきました。1週間程度見えにくさが続くと思いますが、ガスが減ってきてしっかり見えてきてくれればと思います。

↑星状硝子体症の方の眼底写真。

眼内レンズ交換は60歳代の男性で多焦点レンズパンオプティクスを使った白内障手術を他院で受けた方で、視力自体は裸眼で1.0出ていましたが、『ぼやける』『だぶって見える』ような見えにくさがあり、多焦点レンズのコントラスト感度低下による『waxy vision』と思われましたので、単焦点レンズへ入れ換える手術を行いました。
ちょうど1年くらい前に白内障の手術を受けていて時間は経っていましたが、レンズ自体はきれいに取り出すことができてよかったです。

最後の強膜内固定はアトピーのある40代半ばの男性で約20年前に白内障の手術を受けていましたが、眼内レンズがズレてしまい、今回、そのレンズを取り出して、新たなレンズを眼の中に入れる手術となりました。円錐角膜で角膜の濁りもあり、ちょっと手術はしにくく時間がかかりましたが、きれいにレンズも入れられたのでよかったです。

今日も皆さまお疲れ様でしたm(_ _)m

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