今日は午前が外来で午後が手術でした。手術は白内障が11件、眼瞼下垂が2人でした。
白内障の11件中、2件は緑内障もあり、アイステント併用の手術で、白内障の濁りを取り除き、レンズを入れた後に(この順番は医師によって異なりますが)、隅角鏡(ゴニオレンズ)というレンズを眼の表面(角膜)に当てて、顔を傾けて、角膜と虹彩(茶目)の付け根の『隅角』という場所を観察しながら、『線維柱帯』という部位にアイステントを留置します。僕自身、アイステントはここ半年くらいで取り入れた手技で、最初の頃は、なかなか隅角が見えず、時間がかかる時もありましたが、最近は白内障の手術にプラス5分かかるかかからないかで終えられるような感じです。白内障の手術も5〜6分くらいなので、合わせても10分ちょっとくらいでできるかなと思います。合併症もまれに出血することがあったり、角膜に負担がかかると、術後の視力の立ち上がりが悪い場合もありますが、大きな問題にはならず、負担も少ないよい方法だと思いますので、もし、白内障手術を受ける方で緑内障の点眼を減らしたいなと思えば、積極的に行ってもよいのではと思います。
眼瞼下垂は、二人とも正確には皮膚弛緩で皮膚切除でしたが、皮膚の重たさがあったので、眉毛下皮膚切除の術式でした。まぶたの弛みを取る術式には、まつ毛側を切る方法と眉毛の下の皮膚を切除する方法があり、睫毛側皮膚切除の方が手技は単純で時間も短く、キズも二重に隠れて目立たず、基本的にはスタンダードな方法と考えています。でも、皮膚が厚めの方では、まぶたの弛みが取れても重たさが残ってしまうこともあるので、患者さまのまぶたの特徴でどちらの術式がよいか考え、メリットとデメリットを伝えた上で、最終的に患者さまのご希望で術式を決めています。もし、まぶたの皮膚の切除を考えている方は、眉毛の下を切るのか、睫毛の側を切るのか、よく考えて決めるとよいのかなと思います。
今日の手術も皆さま、お疲れ様でしたm(_ _)m
↑今日の眉毛下皮膚切除の患者さまの術前写真。