今日は一日外来で夕方に霰粒腫の切開が3件(1歳8ヶ月男の子、6歳女の子、17歳男の子)でした。
手術の申し込みは、白内障3人、眼瞼下垂1人、霰粒腫1件(40歳男性)でした。
小さな子どもの霰粒腫の切開は『全身麻酔でないとできない』とおっしゃる先生がとても多いのですが、僕は全身麻酔は使わずに行っています。なので、霰粒腫の切開を『全身麻酔をしないでして欲しい』とお思いのお父さまお母さまが調べて、来てくださります。
今日はある都内の眼科クリニックの先生から僕の行っている『ドルミカム内服と笑気麻酔を使った小児の霰粒腫切開』について、お問い合わせをいただきました。その先生も大人の手術で笑気麻酔はお使いとのことで、笑気麻酔だけだと小さい子の切開には弱いのではないか?というご質問をいただきましたが、僕もそう感じています。笑気麻酔は鼻から吸うチューブを使っていて、大人の方でも笑気麻酔は『あんまり効いた感じがしませんでした』なんて言われてしまうことがありますが、小さな子の場合、お鼻が小さいし動いてしまうので、笑気ガスがうまく吸えないのか、笑気麻酔だけではそれほど効果が得られないと思っています。そのため、ドルミカムという鎮静剤を内服してもらうことで、これで全く負担なくできますよというものでもないのですが、なんとか切開しています。
小児の霰粒腫などの切開は大変といえば大変なので、多くのクリニックではしていないのではと思います。今回、お問合せくださった先生は、ご自分でされているようで、少しでも患者さまによい方法はないかとお思いになり、僕に連絡をくださったそうです。そういうお気持ちは医師としてすごく大切だと思います。患者さまのためにならできる限りのことをするというお気持ちだと思います。当たり前のことではあると思いますが、実際に自分が100%できていると正直、言い切れないかなと思ってしまいます。自分に分からないこと、できないことがあって、それでお終いでなく、もっと調べたり、他の先生に聞いたり、お願いしたり、自分の診療に妥協がないか見直すよい機会になりました。
このような素晴らしい先生とのつながりは本当にありがたいと思いました。先生、どうもありがとうございましたm(_ _)m
↑この麻酔マニュアルのミタゾラム(ドルミカム)の『麻酔前投薬』を参考にしています。