院長ブログ

NIDEK SZ-1レンズ交換

今日は午前が外来で午後は手術でした。手術は白内障が9件(アイステント併用1件)、眼内レンズ交換1件、眼瞼下垂2人、硝子体出血の硝子体手術が1件でした。

眼内レンズ交換は昨年5月に都内の病院で白内障と黄斑上膜で硝子体手術をし、遠方合わせを希望したところ、近くにピントが合ってしまい、遠方が見えなくて困ってしまって僕のところへいらした患者さまです。

前の病院の先生からは、『計算がズレることはあり得る』『個人差の問題』『レンズの入れ換えは危険だからすべきでない』と言われたそうで、確かにレンズの計算はあくまで、術前の眼のデータからの計算、予測なので、予測とズレることもなくはないです。ただ、眼内レンズの計算式がいくつかあり、その人その人で最適な計算式を選んでレンズ度数を決めることがとても重要になってきています。昔は個人差で済まされていた問題が、適切な計算式を使うことである程度、解決されるようになってきた訳です。ただし、それでも計算がズレる可能性はゼロではありません。その場合に、対処法はいくつかありますが、一番、根本的かつシンプルな方法が眼内レンズの入れ換え(眼内レンズ交換)であり、もちろん、なるべくしたくはありませんが、場合によっては必要かつとても有効な手技であると僕は考えています。眼内レンズ交換の手技自体はそれほど難しいものではないと思っていますが、現実的には担当医(執刀医)から危険だと言われ患者さまが我慢させられてしまうケースがとても多いのではと思っています。その先生がレンズ交換は危険だと思ってされないのは構わないと思いますが、実際に困っている患者さまを前にして、もう少し寄り添う姿勢が必要なのではと思ってしまいます。何かできることがないか、どこで治療が受けられるかを調べたり、聞いたりすること、その情報を患者さまに伝えることは医師としてやるべきことだと思います。と言いながら、自分もちゃんとできているか分かりませんが、そうしなければと自分にも言い聞かせながら診療していかねばと思っています。

ちなみに、この患者さまは、硝子体手術と一緒に白内障の手術を受け、硝子体手術の時によく使われるNIDEK(ニデック)社製のSZ-1というレンズで、レンズの支え(ハプティクス)がやや長めのため、ハプティクスの癒着は少し強めでしたが、うまく外せてレンズを取り出すことができてよかったです。

週末に当院の看護師のお子さんがコロナに感染し、その後、本人も陽性反応が出たということで、休んでもらっています。また事務の職員も急な退職があり、人手不足の状況になってしまいました。そのため、患者さまには申し訳ないのですが、しばらく予約の患者さまのみの対応とお願いさせていただきました。当院の都合でご迷惑をお掛けして大変申し訳ありませんが、安全な医療を行うために、どうかご理解よろしくお願いいたします。

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