院長ブログ

コロナワクチンとCSC

今日は一日外来で夕方に霰粒腫の切開が1人の予定でしたが、キャンセルになり、今日は処置はなしでした(事前に連絡を受けていたのですが、僕がスタッフに伝え忘れていて、お待ちの患者さまに連絡ができませんでした、、、申し訳ありません)。

手術の申し込みは、白内障7人、眼瞼下垂1人、霰粒腫1人(5歳女の)でした。

外来では『3回目のコロナワクチンを接種して1週間してから左眼の見え方が悪くなり、左右で物の大きさや色が違って見える』という症状の出た50代の男性の方がいらっしゃいました。

左眼の状態は、OCT検査で黄斑部の網膜の下に液体が貯留した“漿液性網膜剥離”(SRD)という所見が見られ、『中心性漿液性網脈絡膜症(CSC)』という病気と考えられました。4050代の男性によくみられる疾患で、網膜の下の脈絡膜という部分に何らかの炎症が起こり、脈絡膜側から液体成分が漏れ出すことで、網膜の下に水が貯まり、そのせいで、見えにくさ、歪み、物が小さく見える(小視症)などの症状が現れます。自然軽快することも多いですが、長引く場合や、一旦よくなってもまたぶり返す再発例では、より詳しい検査(蛍光眼底造影検査;FAG)を行い、水の漏れ出る場所を特定し、中心部からある程度、離れていれば、通常のレーザー治療を、中心部付近であれば(通常のレーザーではレーザーを照射したところが見えにくい暗点になってしまうので)、特殊な薬を点滴してからのレーザー治療(光線力学療法;PDT)が有効とされています。

コロナワクチンとCSCが関係あるのか?ということについては、僕は詳しくないので、眼の炎症(ぶどう膜炎)を専門にしている知人に聞いてみたところ、コロナワクチン接種後に眼の炎症が強く出る場合があり、典型例では『原田病』という病気に似た炎症が出るそうです。この原田病も脈絡膜に炎症を起こす病気なので、同じように脈絡膜に原因のあるCSCもコロナワクチンが何らかの影響を与えているかもしれないとのことでした。

なかなか、コロナワクチンとその副作用(副反応)の証明は難しいと思いますが、眼にも何らかの影響を来す可能性は大いにあるのかなと個人的には感じています。

もちろん、だからワクチン接種がよくないとか、すべきでないということを言うつもりは全くありませんが、大事なのは、そういうリスクもあることを理解した上で、自分で納得して、自分の責任で(国が保障するような話もありますが、本気とは思えません、、、)打つことだと思います。

ワクチンについては全然詳しくないですが、これだけ変異株が出てくるコロナウイルスはワクチンに向いていないウイルスだと思うので、ワクチンはあまり意味が無いのかなと感じています。それよりは、物理的に距離を取るような対策の方がずっと効果があるのかなと思っています。

話が長くなりましたが、もしワクチン接種後に眼に何か病気が出たとしても、すべきことは、その眼の病態に対して必要な治療を行うことです。重症でなければ、コロナワクチンの効力が弱まるにつれて改善することもあると思いますし、改善傾向がなければしかるべき治療を行うことが大切だと思います。

繰り返しますが、僕は、ウイルスやワクチン、眼の炎症は詳しくはないので、あくまでいち眼科医のただの感想として読んでいただければと思います。

今日は午前の外来が終わったのが14時で、ちょっとだけ休憩させていただき、患者さまが差し入れしてくださったワッフルを食べて午後の外来を頑張りました。皆さま、いつもどうもありがとうございますm(_ _)m

ちなみに、このCSCの患者さまは京都から来てくださいました。遠方からわざわざありがとうございましたm(_ _)m

ワッフル、食べる前に撮り忘れて紙だけです、、、

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