今日は午前のみの外来でした。
手術の申し込みは、霰粒腫2人(4歳男の子、5歳男の子)、黄斑円孔の硝子体手術1人でした。
“黄斑円孔”とは網膜の中心部の大事な部分である黄斑に丸い穴があいてしまった状態ですが、症状としては歪みや中心部の暗さ(中心暗点)が現れます。この患者さまは70代の男性でしたが、問診票には『右眼の白内障の手術希望』と記入し受診されていました。もちろん、年齢的に白内障も存在しますが、白内障の程度は左右同じくらいにもかかわらず、視力は左は1.2と良好ですが、右は0.4まででした。よくよく話を聞くと、ここ数週間でどんどん見えにくくなってきたため、娘さんに勧められて早めに受診したそうです。白内障は手術の時期が遅くともきれいに手術ができれば、問題なく視力は改善が得られます。しかし、この患者さまのように網膜の病気はタイミングが遅くなると、十分な改善が難しくなってしまうことも多く、黄斑円孔も早めの手術が望ましいため、来週、準緊急で手術を予定させていただきました。
高齢者は誰でも白内障で徐々に見えにくくなるため、気づきにくいこともありますが、他の眼の病気で視力が下がる場合、早めの対応が望ましく、必要なこともあるので、見えにくさを感じたら、一度、眼科を受診しておくとよいのではと思います。白内障も片眼だけ強く進むこともありますが、大体の方は左右同程度のことが多く、逆に他の病気は片眼に出ることの方が多いので、特に片方の眼だけ見えにくさを感じる時は尚更早めの受診がおすすめです。
今週も皆さま、お疲れ様でしたm(_ _)m
↑OCT検査 右眼(向かって左側)が黄斑円孔です。