院長ブログ

IOL交換?アドオン?

今日は一日外来で夕方に霰粒腫の切開が2人(4歳女の子、 歳女の)でした。
手術の申し込みは、白内障4人、眼瞼下垂3人、霰粒腫1人(4歳女の子)、黄斑上膜の硝子体手術1人でした。

他院で白内障術後に右眼に乱視が残り視力の左右差から来ると思われる不快感や頭痛の症状の改善目的で乱視用の眼内レンズ(トーリック眼内レンズ)へ入れ換えする手術を予定していた方から再度の相談を受けました。

僕はレンズ交換をする患者さまには、『必ず取り出せるものではない』という話をします。正直、今まで一度も取り出せなかったことはないので、話す必要はないのかもしれませんが、レンズの癒着の程度は実際に手術してみないと分かりませんし、もし癒着が強い場合、取り出しが難しい可能性はゼロではありません。そして、その時に無理をすることが一番いけないと思っているので(無理をして水晶体嚢が取れてしまい、その上、網膜剥離を起こしたという先生の話も聞いたことがあります、、、)、癒着が強くて取り出しが困難な場合は無理せず、一旦、撤退する選択肢も必要かと考えています。患者さまによっては、そんな、やってみないと分からないなんて心配だと感じる方もいらっしゃるのではと思いますが、もしその時に、いきなり言われるよりは、可能性として事前に聞いていた方が納得しやすいかと思って伝えています。

今回の相談は、単純にその手術のリスクの面が心配だということと、実際、今の症状に困っている部分もあるが、左右でピントの位置が異なり、遠くも近くも見えて便利な面もあるため、もし、レンズ交換を行って、症状の改善が得られず、また元に戻す可能性を考えると、アドオンレンズの治療を選びたいということでした。

レンズの度数を変える治療は眼内レンズ交換が唯一の方法ではなく、アドオンレンズやレーシックといった手段もあります。それぞれの治療に一長一短がありますが、後戻りできる治療という点ではアドオンレンズが一番ではあります。レンズ交換もまた元に戻すこともできなくはないですが、必ずしも元通りにならないこともありますし、角膜を削るレーシックは元には戻せません。一方、アドオンレンズは単にもう一枚レンズを追加して入れるだけなので、合わない場合はまた取り出せば元に戻すことも十分可能です。

レンズに問題がある場合、レンズ交換が最もシンプルで根本的な治療方法と思っていますが、それで改善が得られるか不確かな場合で尚且つ、元に戻すことも想定している時は、アドオンレンズが治療の一番の選択肢になるかと思います。

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