今日は一日外来でした。
手術の申し込みは、白内障5人と眼瞼下垂3人でした。
白内障は通常、ゆっくり進行し視力が少しずつ下がる経過を取ることが多いですが、時々、『急に見えなくなって』いらっしゃる方の中にも白内障が原因のこともあります。
今日いらした60代女性の方もここ3ヶ月くらいでどんどん見えにくくなり、視力は両眼と0.2でした。視力低下の原因は白内障でしたが、濁り方としては“後嚢下白内障”というタイプでした。
白内障で多いのは水晶体の周りから車軸状に濁りが強くなる“皮質白内障”という濁り方です。通常、濁りの進行は少しずつで、極端に光の妨げにならないので、なんとなく霞むような見え方で視力の低下もゆっくりです。視力の低下よりも光の散乱による眩しさが主症状になることや、ある程度の明るさなら不自由はないが、夕暮れや夜になると急に見えにくく感じる不自由さが出ることもあります。
しかし、後嚢下白内障は水晶体の後面がべったりすりガラスのように濁ってしまうため、光がブロックされやすく、元々視力が1.0あったような人でも数ヶ月単位で0.1くらいまで下がってしまうことも珍しくありません。急激に視力が下がってしまうと心配になるかと思いますが、手術をすれば視力は改善しますし、手術が特別難しいこともないので、心配はありません。
ただ、急に視力が下がる病気はいくつかあり、早めに治療を受けないと手遅れになってしまうこともありますので、もし、急に、かつどんどん見えにくくなる自覚症状がある場合は早めに一度、眼科の受診をおすすめします。