今日は一日外来で夕方に霰粒腫の切開が2人(8歳女の子、50歳女性)でした。
手術の申し込みは、白内障7人、眼瞼下垂2人、霰粒腫2人(3歳女の子、56歳女性)でした。
先週、他院で『白内障で手術を』と紹介状を渡された80代の女性が、左眼がどんどん見えにくくなったのでと今日、いらっしゃいました。紹介状での左視力は0.4でしたが、3日後の今日は0.2まで低下し、眼の状態を見ると、光を当てた時の瞳孔の反応である“対光反射”が弱くなっており、視神経は浮腫んでいて、血流が低下して視神経が障害される“虚血性視神経症”が原因で視力が下がったと思われました。
神経の病気で、なかなか有効な治療法がなく改善が厳しい病気ではありますが、それでも早めに治療をするに越したことはなく、血流を改善する内服とステロイドの点滴を行う方針としました。また、内科的な疾患が原因となることもあるため、内科での検査を勧めさせていただきました。
白内障の手術目的で紹介を受けた時に、通常であれば、急いで受診することはあまりありませんが、今回の患者さまのように、『どんどん見えにくくなる』と何かおかしく感じた場合は、もしかすると、視力低下の原因が白内障以外の病気で、治療を早めに行なった方がよい場合もありますので、念のためでも早めに受診するとよいかと思います。
ちなみに、前の先生が診察された時には、白内障以外の所見が全く出ていない可能性も十分あり、判断を誤ったとか見逃したということでは全くなく、おそらく、後になって神経の所見が出てきたと思われ、病気の診断はとても難しいということを改めて感じた一日でした。そういうこともあると気をつけて診療に当たりたいと思います。