今日は一日外来でした。手術の申し込みは、白内障8人、眼瞼下垂2人、霰粒腫2人(2歳男の子、8歳男の子)でした。
昨日の硝子体混濁の硝子体手術の患者さまは、硝子体の中に入ると、網膜の穴があったため、穴の周りをレーザーで固め、通常は、硝子体を切除した後は手術用の水を満たして終えてくるのですが、念のため、水でなく空気に置き換えて手術を終えました。
通常の硝子体手術でも術直後は若干見えにくいことが多く、視力の改善はゆっくりですが、眼の中に空気やガスを入れた時は、霧の中から見ているような感じでかなり見えにくい状態になります。そのため、あまりの見えにくさにびっくりし、心配される方も多いと感じますが、これは網膜の穴から水が入って網膜剥離を起こさないための治療の上で必要な経過で、空気やガスがきちんと入っている証拠でもあり、見えにくい方がしっかり治療ができていると考えてください。もちろん、ずっと見えにくい訳ではなく、空気やガスが減るに従い、上の方から少しずつ明るくみやすくなってきます。眼の中にしっかり空気に置き換えると3〜4日、ガスですと(その濃度にもよりますが)10日くらいすると見えやすくなることが多いかと思います。
空気やガスが中々抜けないと、『経過が悪いのでしょうか?』とご心配される方もいらっしゃいますが、すぐに抜けてしまう方が問題で、治療効果を期待するならば、ある程度、必要な期間、しっかり空気やガスが残ってくれている方が望ましく、決して経過が悪い訳ではありません。
ちなみに、気体は気圧が下がると膨張しますので、眼の中に空気やガスがある状態で気圧が大きく下がると、眼の中の空気やガスが膨張して眼圧が異常に上がってしまう恐れがあるため、このような状態では飛行機に乗ることができません。空気やガスを入れない硝子体手術であれば、術直後から飛行機に乗ることも可能ですが、硝子体手術を受ける上では、ガスを入れる可能性はどうしてもゼロではないので、硝子体手術は飛行機での移動のない日程で予定を組むとよいと思います。