院長ブログ

自費と選定療養

今日は午前が外来、午後は手術で、白内障13件、黄斑上膜の硝子体手術1件、霰粒腫3人(5歳女の子、11歳女の子、30歳女性)でした。

今週は水曜と今日で24件の白内障の手術があり、そのうち多焦点レンズが7件、アイハンスも7件、通常の単焦点レンズは10件でした。

多焦点レンズ白内障手術は自費診療と選定療養の2パターンがあり、今週は自費診療が1人(Intensity)、選定療養が6人(PanOptix)でした。

自費診療は全ての手術費用が全て自己負担ですが、選定療養は手術の大元の部分通常の単焦点レンズの手術に相当する費用)は健康保険が適応され、多焦点レンズ費用(正確には単焦点レンズとの差額代)が自費となります。

多焦点レンズの白内障手術の自費診療と選定療養の使い分けは、多焦点レンズの中のレンズの種類によります。多焦点レンズもたくさんの種類がありますが、選定療養で使える国内承認レンズは限られていて、3焦点レンズでは、PanOPtixSynergy(連続焦点型とも言われますが)、焦点深度拡張型2焦点レンズ(EDOF)はActiveFocusSymfony、通常の2焦点レンズではTecnis Multiがあります。その他の多焦点レンズは国内未承認レンズ(海外レンズ)ということになり、選定療養が適応されず、全ての治療が全額自己負担になる自費診療になります。未承認というと、品質に問題があるのでは?とか安全性が保証されていないのでは?という疑問も浮かぶかもしれませんが、単に日本国内で選定療養を行う上で承認が得られていないレンズでほとんどのレンズは海外では使用実績もあり、治療上問題になるようなことは今のところ、報告は受けておりません。むしろ、国内承認レンズにはない5焦点レンズやオーダーメイドレンズ、コントラスト感度のよいもの、ハローグレアが出にくいもの、と特色を持ったレンズも多く、その強みが自分にとって魅力を感じれば、海外レンズを使うことも価値があるのではと思います。

もちろん、選定療養で使える国内承認レンズも目的に合えば、十分、満足のいく見え方を実現できますし、僕は左右で微調整をしながらレンズ度数を選択することも多いのですが、レンズ発注の融通が効く国内承認レンズだからこそできる方法でもあります。国内承認レンズによる選定療養と海外レンズによる自費手術と、それぞれメリットがありますので、多焦点レンズを使う場合は、どちらが自分にとってよいかをよく考えて選択するとよいかと思います。

多焦点レンズの費用はちょっとややこしいですが、分かりやすい図がネットに出ていたので添付します(参天製薬からの引用です、ありがとうございます!)↓

https://www.santen.co.jp/ja/healthcare/eye/library/cataract/museum/insurance/

今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m

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