今日は午前が外来で午後は手術で、白内障7件、眼瞼下垂2人、アドオンレンズ挿入1件、眼内レンズ交換1件、霰粒腫3人(3歳男の子、6歳女の子、13歳男の子)でした。
今日の外来では約2年半前から緑内障で通院していただいている60代の女性の方(Sさん)の定期受診がありました。当院にいらっしゃる前に大学病院で緑内障の手術もしていて、状態としては落ち着いてはいるのですが、それでも前に比べると若干進行があり、視力は0.1〜0.3程度で視野も中心部分が欠けてしまっています。元々、編み物が得意で編み物教室をしていたという話を聞いていたのですが、今日はSさんが作ったニット帽を見せてくださいました。前はこの帽子は1日で作れたそうですが、今は2週間かけて作ったそうです。僕は全く編み物は分からないのですが、編み目を数えながら作るそうで、その編み目を数えるのは難しくなってしまったので、旦那さんに数えてもらいながら作っているそうです。
『前より時間がかかるようになってしまったけれど、手伝ってもらいながらできるんです。できないことも増えてしまいましたが、時間をかけたり、誰かの手を借りたりすれば、できることもたくさんあります。できないことよりできることを数えるようにしています。』とおっしゃっていました。
何かを失うと、できないことばかりに気が向いてしまうと思います。その気持ちも当然ですし、受け入れるには時間がかかると思います。でも、それを嘆いてばかりでは何も生まれませんし、前に進めません。自分の持っている力を最大限に使い、それで足りなければ、誰かの力を借りながら、できることをすることが意味のあることで大切なことだと思います。
新年早々、Sさんの言葉で、改めて、“自分にできることを精一杯すること”の大切さを教えていただきました。どうもありがとうございました。
今年も自分にできること、僕らのクリニックでできることを一生懸命頑張っていこうと思います。
今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m