今日は午前のみの外来でした。手術の申し込みは霰粒腫1人(6歳男の子)でした。
今日も白内障術後の見えにくさで60代の女性がいらっしゃいました。
昨年6月に他院で両眼の白内障手術を受け、単焦点の眼内レンズを左は遠方に、右は近方に合わせ左右をずらすことでより広い範囲を裸眼で見る“モノビジョン”という方法を選択されたそうです。視力は右0.2、左1.2で予定通りの手術ができていると思われますが、『見えるけれど、全体的にぼやけが重なって見えにくくて気持ち悪い』そうです。
確かにモノビジョンは裸眼で見える範囲を広げることができるよい方法ではありますが、この方法が合うかどうか、また左右の差をどの程度にするかは慎重に考える必要があるかと思います。元々、左右差が大きい人は術後に差をつけても全く問題ないと思いますが、そうでない場合は、1D以上の差があると、違和感として感じやすいのではと個人的に感じています。白内障の手術で左右同じ位置のピントを狙ったとしても、結果的に左右で多少の差が出ることはよくあります。この時、0.5D程度であれば、不具合を感じる人はほとんどいませんが、1Dを超えると、どうしても違和感を訴える方がいらっしゃいます。なので、元々左右差がない方で、手術で差を作りたいという希望を受けた場合は、できれば、その差が0.5〜1Dの間に収まるようなレンズ設定(マイクロモノビジョン)を提案させていただいています。もちろん、よくも悪くも左右の差が大きくはないので、結果的に思ったより見える範囲が広がらないと感じてしまうこともありますが、大きなトラブルになることはほとんどなく、より安全を重視した方法だと感じています。
あと、優位眼、つまり利き目の問題もあり、利き目は遠くに合わせた方がよいとも言われています。ただ、利き目は変わるとも言われ、必ずしも意識する必要はないという考えもありますが、おそらく、効き目が変わっても問題ない人もいれば、効き目が変わると、違和感として感じてしまう人もある一定数いらっしゃるのかと考えています。なので、利き目の意識が強い方は少なくとも、それを意識したレンズ度数設定が必要かなと思っています。
モノビジョンもよい方法ではあると思いますが、そのメリットとデメリットはよく考えて、選択するとよいのかなと思います。
今週も皆さま、お疲れ様でしたm(_ _)m