今日は一日外来でした。手術の申し込みは、白内障4人と霰粒腫2人(3歳男の子、3歳女の子)でした。
今日も白内障術後の不具合で50代の女性が、昨年12月に両眼の多焦点レンズによる白内障手術を受け、『見えにくい、遠くのものが二重に見える、日中もハローグレアがある』という症状が気になると相談にいらっしゃいました。
視力は両眼とも遠方1.2、中間〜近方0.9〜1.0、レンズも綺麗に入っており、多焦点レンズなので、コントラストの低下はあるものの、視力検査の結果や眼の所見上は全く問題ありませんでした。
前回の学会用にまとめたデータでは、当院で眼内レンズ交換を行った55眼のうち、多焦点レンズが約半数の29眼で、その内、ハローグレアなどの異常光視症が原因で入れ換えを行ったのは、6眼でした。この異常光視症で入れ換えを行った6眼の手術時期は全例、前の白内障手術から1〜4ヶ月の間でした。この結果の解釈としては、
・異常光視症は辛い人にとってはとても辛く、あまり長く耐えることができない
・数ヶ月(3ヶ月程度)耐えられれば、その後も許容内で過ごしていける
ということが言えるのかなと思いました。
あくまでも僕がレンズ交換の手術をした患者さまのデータですが、異常光視症が辛くて、この見え方がずっと続のはイヤだと思ってレンズ交換を決める方は即決できる印象です。『ハローグレアはイヤだけど、遠くも近くも裸眼で見えて便利は便利』というような感じ方であれば、そのまま許容していける方がほとんどのように感じます。
今日の入れ換え相談の患者さまも、入れ換えを即決できるほどイヤとまでは思えないようでしたので、もう少し様子を見ていただき、やっぱりダメだと思えば、入れ換えを予定しましょうとお話しして診察を終えました。なんとか、このまま慣れてくれて、入れ換えしなくて済めばいいなと思います。