院長ブログ

眼の中?眼の外?

今日は午前のみの外来でした。
手術の申し込みは、白内障1人と硝子体混濁の硝子体手術1人でした。

昨日の手術の患者さまの経過も良好でしたが、ICL手術の20代の女性の方は、手術の時の緊張がとても強かったので、経過も心配だったのではと思いますが、視力も1.2まで改善し、順調でよかったです。

ICL手術の患者さまは、眼に入れたレンズの位置が上過ぎると虹彩を押してしまって眼圧を上げてしまい、下過ぎると水晶体に触れてしまって白内障が出てしまうので、

その位置はとても重要なので手術終了後すぐに前眼部OCTCASIAⅡ)で一度、確認し、手術翌日の今日も再度、確認させていただいています。レンズの位置も大丈夫で、キズもきれいにくっついていて、全く問題ありませんでした。

このCASIAⅡの検査の写真を見て、思ったのですが、術後の患者さまからよく聞かれる『顔を洗った時に眼に水が入るとダメですか?』という質問の眼の中ってどこ?という話です。多分、皆さまの言う眼の中というのは、眼の表面のことなのかなと思います。本当の眼の中というのは、角膜よりも眼の内側で完全に外と区切られた内部のことが、厳密な眼の中(眼内)ということになります。患者さまからしたら、眼の表面でも眼の中でも関係ないかもしれませんが、眼の表面がきれいかというと、実際は眼の外なので、完全にきれいという訳ではありません。ここで言うきれいではないということの意味は、細菌がいるという意味で、手の皮膚の表面と同じで通常は病気を起こすことのない常在細菌がいる訳です。ですので、時々、術後間もない時期に顔を洗う時などに『眼に水が入ってしまった』と心配して受診される方もいらっしゃいますが、そもそも、眼の表面は眼の外なので基本的には問題ないと考えています。ただ、術直後はまだキズが完全にくっついていないので、強く眼が圧迫されるとキズが開いてしまう可能性もあるので、眼を強く押してしまうような動作は注意が必要かと思います。

僕は手術の後の患者さまには翌日から洗顔や入浴は大丈夫と話していますが、時々、術後しばらくしての診察の時に眼の周りにメヤニが結構、ついているので、『ちゃんと顔を洗っていますか?』と聞くと、『まだ怖くて洗っていない』なんてお答えをいただくこともあります。確かに心配かもしれませんが、眼の表面は眼の外なので、水が入ること自体は問題ないですし、眼の周りを洗わなくて汚れて細菌が増えてしまうことの方がずっとよくないと思っているので、術後からなるべくきれいな眼の状態を保っていただければと思います。

今週も皆さま、お疲れ様でしたm(_ _)m

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