今日は一日外来で夕方に霰粒腫の切開が2人(2歳男の子、3歳男の子)でした。
手術の申し込みは、白内障5人、眼瞼下垂2人、霰粒腫1人(3歳女の子)、眼内レンズ偏位の硝子体手術(強膜内固定)1人でした。
今日、手術の申し込みをいただいた眼内レンズ偏位の患者さまは、74歳の男性で約20年前に水晶体が硝子体の中に落ち込んでしまう“水晶体落下”で、その摘出と眼内レンズを眼の壁に縫い付ける“縫着術”の手術を受けたそうですが、『2日前からレンズの縁が見える。寝起きがすごく見えにくい。』という症状で受診されました。
実際、眼内レンズに若干の偏りが見られ、おそらく、レンズを眼の壁に縫った糸の片方が外れ、宙ぶらりんで、体を起こしている時はそれなりの位置にあるのですが、横になると、パタンと眼の奥の方に落ち込んでしまう状態と思われました。
こうなると、レンズを取り出して、新たなたレンズを眼の壁に固定する手術(眼内レンズ強膜内固定)が必要なので、レンズが完全に眼の奥に落ち込まない内に少し早めに手術を予定させていただきました。(完全に落ちてしまっても手術は可能ですが、ちょっと一手間かかるので、早めがよいかと思いました、、、)
レンズを縫い付けた後も糸が経年劣化しても、レンズの支えの先は癒着を起こしてズレないという話も聞いたことがあるのですが、実際にはこのようなレンズ偏位を来たすこともあり、『レンズを縫い付けたから安心』という訳ではないのかなと思います。縫着後の患者さまでも今回の方のように片方の糸が切れただけだと、極端に視力が下がる訳ではない場合もありますが、レンズの縁が見えるような感じがしたり、体勢によって見え方が悪くなるような時は早めに診てもらうとよいかもしれません。