今日は午前のみの外来で、手術の申し込みは、白内障3人でした。
昨日のICLの手術の患者さまは僕と同い年の44歳の女性の方でした。40代での近視矯正手術はICL手術でもレーシックでも、メリットもあれば、デメリットもあり、手術を受けるかどうかはよく考える必要がありますが、近視の値も強く、『やっぱり裸眼で遠くを見たい』ということで手術させていただきました。
20代や30代前半など若いうちは近視矯正手術を受けて遠くをよく見えるようにしても、調節力が十分残っているので、通常は近くも十分見えます。しかし、40歳前後から少しずつ老眼が始まってきますので、近視を治すと、近くが若干見えにくい感じが年齢が上がるにつれ現れます。若いうちの近視矯正手術でも、結局、年齢が上がってくると、老眼は必ず出てくるものなので、“若いうちに手術を受ければ問題ない”ということではなく、若いうちに受けると“遠くも近くも見えて快適な時間がより長い”ということになります。
僕も15年くらい前にレーシックの手術を受けていて、基本的に快適ですが、最近、ちょっと近くが見えにくいなと感じることも出てきました。仕方ないことですし、ずっと眼鏡もコンタクトも使わずによく見えているので、レーシックを受けてよかったなと思っています。でも、もし、ずっと近視のまま過ごしていて、今の年齢で近視を治す手術をしたら、『あれ、ちょっと近くが見えにくい?』ともしかすると、不満を感じていたかもしれません。あと、僕は元々、-3Dくらいの近視で、当時は眼科でなかったので全く意識していませんでしたが、これくらいの近視だと老眼が強くなっても眼鏡を外せば近くは問題なく見えるちょうどよいくらいの近視だったので、老眼が強くなった時のことを考えると、そのままでもよかったという考えもあります(もちろん、僕はレーシックを受けてよかったと思っていますが)。
なので、40代で、ICLにしてもレーシックにしても、近視を治す目的であれば、老眼の影響と今の近視のままでいるメリット(があるか)は認識いただき、それでも遠くを裸眼で見えるようにしたい気持ちが強い場合は、40代半ばくらいまでを年齢的にギリギリのラインと考え、手術を受けるとよいかと思います。年齢的にギリギリというのは、老眼もありますが、50歳くらいから白内障も出てきますので、せっかく近視を治しても、白内障の影響で結局見えにくくなってしまうということもあります。
僕と同じ年齢で近視を治すかを決めるのはちょっと勇気も要ることだったと思いますが、手術は無事終わって、視力も1.2まで改善し、経過良好でまずはよかったと思います。
今週も皆さま、お疲れ様でしたm(_ _)m