院長ブログ

前嚢切開の拡大

今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障が3人でした。今日の手術は、白内障12件、黄斑上膜の硝子体手術1件、眼内レンズ交換1件、霰粒腫1人(7歳女の子)でした。

今日の手術の眼内レンズ交換の患者さまは約2か月前に他院で単焦点レンズで白内障の手術を受け、ピントを中間にしたところ、近くが見えにくくて困ってしまい、近くにピントが合うようなレンズへ入れ換えを行いました。

眼内レンズの交換では、『レンズがくっついて取れないのでは?』ということを心配される方も多いですが、確かに癒着は強いよりは弱い方が入れ換えは楽なので、癒着が少ないと手術は楽です。しかし、癒着が強い時でも、それなりの処置を行うことで基本的にレンズは取り出せます(今のところは)。それよりも、難しいのはレンズを入れることと僕は感じています。レンズは水晶体の表面(水晶体嚢)の前側(前嚢)を丸く切った(前嚢切開)の丸い穴の部分から入れます。初回の白内障手術の時は、水晶体嚢が柔らかく、伸縮性があるので、レンズを入れる操作は容易ですが、レンズの入れ換えの時には水晶体嚢が硬くなりCCCが伸びなくなっていることが多く、また、レンズの取り出しで水晶体の支えが弱くなることもあり、レンズを入れることが難しくなってしまうことが時々あります。

今回の患者さまは術後に前嚢の収縮が起こり、CCCが小さくなっていたので、レンズを取り出した後に、前嚢を切開してCCCを拡大してからレンズを入れました。角膜の濁りもあり、眼の中も見えにくかったのですが、なんとかうまくレンズ交換ができてよかったです。

今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m

TOPへ