今日は一日外来で夕方に霰粒腫の切開が3人(3歳女の子、5歳男の子、37歳女性)でした。
手術の申し込みは、白内障5人、霰粒腫1人(4歳男の子)、硝子体手術3人(3人とも硝子体出血)でした。
今日、白内障手術を申し込みいただいた71歳女性の方の矯正視力は右0.7左0.9でした。他に白内障の手術を相談にいらした58歳女性の方の矯正視力も全く同じで右0.7左0.9でしたが、こちらの方は手術はもう少し先にしましょうということになりました。この二人で何が違うかというと、年齢は違いますが、71歳の方は近視の値が-8〜9D、58歳の方は-2.5D と近視の程度がかなり違いました。
二人とも矯正視力も少し下がっていますので、確かに白内障の手術を検討すべき時期ですが、近視の値が-10近くあれば、眼鏡を外してしまうと何も見えないに近い状態でかなりの不便さがある眼です。このような眼の場合は、白内障の濁りが単に取れる見えやすさだけでなく、近視を改善することで、日常生活を楽に過ごせるような見え方にできる大きなメリットがあります。一方、58歳の方はお若い割に矯正視力が下がっているので、手術をする考えもありましたが、それほど見えにくさがなく、裸眼で近くがよく見えている“便利な眼“なので、『もう少しこのままご自分の眼を大切にして過ごしましょう』ということになりました。
このように白内障の手術のタイミングは、単に『視力がいくつになったら』というものではなく、白内障の程度、元々の眼の状態、どれだけ生活に不自由があるかなどから、手術した方がよいかどうかを総合的に判断してお話するようにしています。その上で、最終的には患者さまご本人が決断が必要になりますが、『手術してもしなくてもいいですよ』ではなく、手術した方がよさそうかどうか、少しでも参考になるように自分の意見も伝えたいと思っています。