院長ブログ

緑内障手術の術後管理

今日は一日外来で、手術の申し込みは、白内障5人、眼瞼下垂2人、霰粒腫1人(45歳女性)でした。

昨日の緑内障の手術を受けていただいた91歳の女性の翌日の状態は眼圧が6mmHgという値でした。眼圧が思った以上に下がり、『涙が出る』という訴えもあったので、眼の中の水が結膜の下に貯まるブレブの縫った部分からの漏れを疑いましたが、ひとまず漏れはなかったので、おそらく結膜を縫った糸の端が当たって涙が出ている状況と思われました。

緑内障の手術では、眼の中の水を結膜の下に流すバイパスを作り、強膜のフラップを一度、縫って蓋を閉めたような状態にして終わってきます。そして、術後はその糸をレーザーで切ることで少しずつ水の流れを増やして眼圧を下げて、また様子を見て、必要があればまた糸を切ってという風に眼圧を調整していきます。ただ、フラップは癒着してきますので、糸を切っても水の流れが増えずに眼圧が下がらない場合は、針をフラップの下に入れて癒着を剥がすニードリングという処置を行うこともあります。また、逆に思った以上に水の流れがよくなってしまうと眼圧が極端に下がってしまい、眼のハリがなくなり黄斑が悪くなってしまう低眼圧黄斑症という状態を引き起こしてしまうことがあり、水の流れを抑えるために縫合を追加しないといけないこともあります。このように、緑内障の手術は、手術そのものがうまくいけばあとは大丈夫というものではなく、術後も眼圧の調整を行うという大事な時期になります。

そのため、白内障手術に比べると、頻繁な通院が必要になりますが、ご理解いただければと思います。

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