今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障1人と硝子体出血の硝子体手術1人でした。
今日の手術は、白内障7件(アイステント併用1件)、Phakic IOL(ICL)1人、眼瞼下垂2人でした。
今日のお昼は、Alcon社から新しく発売される多焦点眼内レンズのVivityについての説明会がありました。
このVivityという多焦点レンズは、今、多く使われている“回折型”の多焦点レンズとはレンズの仕組みが異なり、“波面制御型眼内レンズ”といわれ、光のロスを生じることなく、焦点の幅を拡げることができるレンズです。回折構造がないので、ハローグレアといった夜の光の見え方の異常もほぼなく、単焦点レンズと同等ということでした。そのため、『多焦点レンズを使いたいけれど、コントラストが下がることや夜間のハローグレアが出るとイヤだな』と思って躊躇していた方にはよいレンズだと思いますし、今まで多焦点レンズを使いにくかった、白内障以外の眼疾患のある人やタクシーやトラックの運転手のように夜間の車の運転が多い人にも使いやすいというのが大きなメリットと思いました。また、白内障が軽い状態で手術を受ける時や若い人にもコントラストが下がらないので、向いているのではと感じました。ただ、焦点深度拡張型(EDOF)のレンズなので、3焦点レンズに比べると、近方はやや弱く、手元はある程度、眼鏡を使う必要があるようです(視力は遠方1.0 中間0.8 近方40cm 0.6程度だそうです)。でも、新たなタイプの多焦点レンズで、選択肢の幅が広がることはよいことだと思います。
ただ、現時点でトーリックタイプがなく、乱視が強い(角膜乱視1D程度以上)と使いにくいことと、レンズの製造範囲が10D〜とやや狭いことで、使える患者さまが若干限られることがネックかと思います。
今日の勉強会で聞く限り、アイハンスと同じようなイメージのレンズで、アイハンスより若干焦点の幅が広く、手元が少し強いのかなという印象です。あとはその差に対して、多焦点レンズの分の費用を出すことに価値を見出すかどうかは患者さま一人ひとりの考え方や価値観になるのかなと思います。いずれにしても、レンズの選択肢が広がることは患者さまには大きな恩恵となると思います。
今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m