今日は一日外来で夕方に霰粒腫の切開が2人(5歳男の子、12歳女の子)でした。
手術の申し込みは、白内障8人、眼瞼下垂4人、霰粒腫1人(38歳女性)、黄斑上膜の硝子体手術1人でした。
先週は金曜から日曜にかけて、“第24回 日本ロービジョン学会”がお茶の水のソラシティカンファレンスセンターで開催されました。当院からは看護師1名、視能訓練士2名が参加していましたが、僕も診療のない日曜日だけ行ってきました。
“ロービジョン”というのは、見えにくい状態のことで、いわゆる“視覚障害”と同じような意味合いです。治療をしても、手術をしても、残念ながら完治することのできない病気、よくならない病気、そもそも有効な治療法のない病気も存在します。そんな患者さまに対し、“治療としては”何もできることがないとしても、その患者さまが生きていく上で、僕らには何かしら手助けできることが全くない訳ではなく、例えば、残った視機能を少しでも活かして見やすくするためのアドバイスや指導、仕事や生活を訓練するための福祉施設などへの紹介、同じような病気を持つ人たちで作る団体での情報共有など、工夫や何らかの補助、情報で、見えなくとも少しでも“普通”に近い生活、人生が送れるようにみんなで支援することが“ロービジョンケア”です(だと思っています)。この勉強をすることが学会参加の大きな目的ですが、今回の学会では、2年前の東京オリンピック・パラリンピックの選手村のクリニックでボランティアとして活動した仲間の講演があり、是非聴かなきゃと思い参加しました。
その演者の一人、久留米大学の辻先生のお話の中に、障害者に対し、スポーツによる治療やリハビリを確立し、“パラリンピックの父”とされるルーヴィッヒ・グットマン博士の言葉『失ったものを数えるな、残されたものを最大限活かせ』という言葉の紹介がありました。障害のある人にとってはもちろん、障害のない健常者といわれる人たちも含めて、全ての人に大切な考え方だと思いました。病気やケガで失うものがあるかもしれませんが、人は誰でも年齢の変化で少しずつ失われていくものはあると思います。生きていく上で、あれが無い、これが足りないと思うこともあると思います。そんな時に、『自分にはこれがある』と思えるものは何かしらあると思います。その自分が持っているものを最大限に活かせれば、それがベストだということだと思います。色んなことに通じることで、僕もそういう考えを大切にしていこうと思いました。
学会の後は、仲間の先生たちとJPSA(日本パラスポーツ協会)の河合純一さんとお昼ごはんを食べ、その流れで、東京体育館で行われていた車いすラグビーのアジア・オセアニアチャンピオンシップを観戦し、日本の優勝とパリパラリンピック出場決定を見届けて帰宅しました。
学会参加から車いすラグビー観戦と有意義な一日でしたが、学会で学んだことや得た知識を今後の診療にしっかり活かしていきたいと思います。頑張ります!