今日は一日外来で夕方に霰粒腫の切開が2人(3歳女の子、21歳女性)でした。
手術の申し込みは、白内障6人、眼瞼下垂3人、霰粒腫3人(3歳女の子、5歳女の子、38歳男性)でした。
白内障の手術の後の見え方に不便さを感じ、その見え方を変えたいとお問合せをいただくこともありますが、白内障術後のを変える方法として、僕が行なっているのは眼内レンズ交換とアドオンレンズによる治療です。レンズの問題であれば、レンズを入れ換えるのが根本的でシンプルな解決法だと思っているので、できれば、レンズ交換をまず最初に考えるべきだと思っています。しかし、レンズを取り出すのが難しく、レンズ交換をするなら、それなりのリスクを背負って手術を受けないとならないようなケースもあります。その場合、レンズを入れ換える目的が、度数を変える(ピントの位置を変える)ことか単焦点の眼を多焦点に変えるのであれば、レンズを交換するのが唯一の方法ではなく、新たにもう一枚レンズを入れるアドオンレンズの治療も有効な選択肢になります。この治療を患者さまに提案すると、結構な確率で『診てもらっている先生に相談したら、アドンレンズはあまりよくない治療と言われたのですが、大丈夫ですか?』と質問されることがあります。レンズをもう1枚入れるというと、ピギーバック法といって、通常の白内障手術で使う眼内レンズを2枚重ねる方法もありますが、通常の白内障手術用の眼内レンズは2枚重ねることを前提には作られていませんので、当然、問題が起こることはあるかと思います。僕は通常の眼内レンズを2枚重ねるピギーバックはしたことがなく、推測にはなってしまいますが、起こる可能性としては、まずレンズの計算が難しい、レンズとレンズの間に濁りができてしまう、虹彩が圧迫されて眼圧が上がってしまうといったことが考えられるかと思います。しかし、アドオンレンズは元々、既に入っている眼内レンズの上にもう1枚追加で入れた時に不具合が出ないような設計になっており、度数計算も正確で、レンズ間の濁りが出ることも、眼圧が上がることも基本的には大丈夫だと感じています。
アドオンレンズも手術は手術ですので100%安全ということはないですが、眼の縁に2.5mm程のキズを作り、レンズを虹彩の裏側に入れ、眼の中を洗って、キズを閉じて10分かからないくらいで終わる負担の少ない手術なので、よい治療だと感じています。ただ、完全自費の治療になるので費用が高いことと、レンズは海外から取り寄せるので時間がかかることがネックかもしれません。でも、総じてリスクや侵襲は少なく、もし万が一合わなければ抜去も容易で、アドオンレンズもよい治療だと思います。