今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障1人、眼瞼下垂2人、黄斑上膜の硝子体手術1人、緑内障手術1人でした。
今日の手術は、眼瞼下垂4人と霰粒腫2人(3歳女の子、49歳女性)でした。
白内障は水晶体が濁ってくる病気で、基本的に白く濁ることが多いので、“白”内障と呼ばれています。しかし、全ての白内障が白い訳ではなく、進んでくると、水晶体の濁りは黄色く、また更に進むと茶色く濁り、“過熟白内障”と呼ばれます。水晶体が熟した状態ともいえるかもしれませんが、果物が熟すと柔らかくなるのと違い、水晶体は熟すと硬くなってしまいます。硬くて視力が極端に下がっているとしても、その濁りをきれいに取ってあげれば、見え方は十分に回復が得られます。しかし、柔らかい濁りに比べると、硬い水晶体を取り除くには、眼の中の炎症が強く出やすかったり、角膜の細胞がダメージを受けて極端に減ってしまったり、水晶体嚢が裂けて前嚢亀裂や後嚢破損を起こすことや、チン小帯に負担がかかり水晶体嚢が残せなくなってしまうことなど、眼に対する負担やリスクがそれなりに大きくなってしまいます。
今日はそんな水晶体が真っ茶色の白内障の患者さまがいらしゃいましたが、通常の白内障に比べれば多少のリスクはあるものの、よくするには手術するしかないですし、このままにしておけば、ますます濁りが強くなるだけなので、早めの日程で手術を予定させていただきました。ちなみに、これだけ濁りが強くなると、視力は0.1もないくらいでほとんど見えないと感じるくらいになってしまいますが、世界では失明の原因の一番が白内障だといわれています。日本ではうまく手術できれば、視力の改善を得られますが、世界の発展途上の国々ではまだまだ手術が受けられずに見えないままという状況があります。白内障の手術に限らず、日本では高水準の医療が当たり前のように受けられることはありがたいことだなと感じます。
この患者さまの白内障もきちんと治してまたよく見えるようになるように、しっかり頑張って手術したいと思います。
今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m