院長ブログ

タウンニュース2023年7月

タウンニュース青葉区・都筑区・宮前区版で毎月連載させていただいている『目のお悩みQA』第37回目の今回は『緑内障だと使えない薬があると聞きましたが、本当ですか?』というテーマで緑内障の禁忌薬について書いてみました。

以下、タウンニュースの本文です。

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 緑内障は眼圧が高いことで視神経に負担がかかり視野が欠けてくる病気ですが、緑内障があると使えない「禁忌」となる薬が存在します。お腹の痛み止め、胃カメラ時に使う薬、睡眠薬、頻尿治療薬、抗アレルギー薬、喘息治療薬など抗コリン作用を持つ薬は、瞳孔を広げ、眼の中の水が流れ出る隅角を狭くして急激に眼圧が上がる急性緑内障発作を引き起こす可能性があるため、緑内障の患者さんには使ってはいけないとされています。

 しかし、全ての緑内障で抗コリン薬が使えない訳ではありません。緑内障は隅角の状態が広い「開放隅角型」と状態の狭い「閉塞隅角型」の2つのタイプがあり、抗コリン薬が使えないのは、閉塞隅角緑内障になります。また、緑内障を発症していなくとも、隅角が狭い「狭隅角症」の人も閉塞隅角緑内障に準じる必要があり、抗コリン薬の禁忌と考えます。ただし、虹彩にレーザーで穴をあける治療や白内障手術をしていれば、通常、急性緑内障発作は起こらないため、抗コリン薬の使用は可能です。

 日本人では最も多い、眼圧が正常範囲の正常眼圧緑内障も開放隅角型に含まれます。割合としては閉塞隅角型は少ないため、実際に抗コリン薬が使えない緑内障の人は多くないと思われますが、薬の処方の際に困らないよう自分のタイプを知っておくことは重要です。

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タウンニュースのコラムでは、眼に関する疑問についてお答えさせていただいております。気になる眼の症状から白内障やまぶた、硝子体の手術まで何でも構いませんので何かリクエストがございましたら教えてください。

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