今日は一日外来で夕方に霰粒腫の切開が3人(2歳男の子、2歳女の子、39歳女性)でした。手術の申し込みは、白内障9人、眼瞼下垂2人、霰粒腫2人(22歳女性、59歳女性)、IOL交換1人でした。
昨日の日曜日はAlconから新しく発売された多焦点レンズ“Vivity”の勉強会が都内であり、行ってきました。
現在使われている多くの多焦点レンズは“回折”を利用したレンズで、その構造のために、光のロスによるコントラストの低下や夜の光が異常に見えるハローグレアが問題になりますが、これらの副症状をなくすために“波面制御”という技術を使って焦点の幅を広くするような多焦点レンズがVivityです。
コントラストが下がらないので、若い人で片方の眼の白内障が進んでしまった人や夜間の車の運転が多くハローグレアが出ると嫌だなと思ってしまう人にはとても向いている多焦点レンズだと思います。また、白内障以外の眼の病気があると、多焦点レンズはかえって見えにくくなってしまうこともあり、使いにくいのですが、コントラストが下がらないVivityならば使うことは十分可能かと思います。
ただ、もちろん、よいところばかりでなく、欠点としては、通常の使い方をすると、手元が弱く、老眼鏡がある程度は必要になるということがあります。
昨日の勉強会でも、その辺りのお話を聞くことができ、近方の見え方を確保したい場合は、片眼を少し遠方を落として左右で少し差をつけて遠方から近方までの焦点を確保するミニモノビジョンや片眼はVivity、もう片眼は3焦点レンズを入れる“mix and match”という方法を取ることで、Vivityの弱いところをカバーできる可能性について勉強することができました。
どのレンズにも一長一短あますが、新しいタイプの多焦点レンズであるVivityが登場したことで、よりレンズの選択の幅が広がり、希望の見え方を実現するための手段が増えたことはとても喜ばしいことだと感じました。