院長ブログ

アイリング

今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障1人で、今日の手術は、白内障8件、眼瞼下垂2人、眼内レンズ交換1件、霰粒腫1人(1歳男の子)でした。

今日、白内障の手術だった74歳の男性は前立腺肥大でシロドシンというα1受容体拮抗薬を飲んでいました。白内障の手術の時には瞳孔を開く薬(散瞳薬)を使い、瞳孔を広げた状態で手術を行いますが、この種の薬を飲んでいると、手術の最中に虹彩(茶目)の緊張が低下して、ペラペラになって瞳孔が閉じてきてしまう術中虹彩緊張低下症候群(IFIS;アイフィス)という状況を起こしてしまうことがあります。これに対しては色々、対応策がありますが、最近、僕はI-Ring(アイリング)というポリウレタン製のリングで瞳孔を拡げて手術を行っています。今回の患者さまでも瞳孔が不安定な印象があったので、瞳孔が小さくなる前にI-Ringを装着し、超音波による水晶体入荷吸引〜眼内レンズの挿入を行いました。つけ外しも容易で虹彩のダメージも少なく、とても使いやすい器具だと感じています。

詳しい患者さまですと、『前立腺の薬を飲んでいるけど、手術は大丈夫かな?』と心配される方もいらっしゃいますが、基本的には問題なく手術はできますし、手術前に内服を止めてもIFISは防げないとされていますので、術前の休薬も要らないと考えています(止めて尿閉が起こってしまう方が大変だと思っています)。なので、前立腺肥大の薬を飲んでいる方もあまり心配せずに手術を受けていただければと思っています。

今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m

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