院長ブログ

黄斑上膜の手術のタイミング

今日は午前が外来で午後は手術でした。

手術の申し込みは、白内障1人、眼瞼下垂1人、黄斑上膜の硝子体手術1人でした。

来週が1週間休みのため、今日の手術は、外眼部のみで、眼瞼下垂3人と霰粒腫5人(5歳男の子、6歳女の子、7歳女の子、19歳女性、53歳女性)でした。

今日、黄斑上膜の硝子体手術の申し込みになった50代の女性の方は、今年の春から経過を見させていただいており、7月の定期通院の時は、多少の見えにくさはあるものの、視力は1.0でした。しかし、8月頃からどんどん見えにくくなるように感じ、予定よりも早く来院され、今日の視力は0.4まで低下していたため、手術の予定を立てさせていただきました。

黄斑上膜はあってもあまり症状がないことも多く、ゆっくり進み、極端に症状が悪化しないことも結構あり、いつ手術をするか判断するタイミングは難しい病気の一つかと思います。白内障のような病気であれば、どんなに進んでも白内障さえ取ってしまえば、視力の改善が望めます。しかし、黄斑上膜では、黄斑の上に余計な膜ができて黄斑の形が悪くなっていることで症状が出ますが、手術はあくまで、余計な膜を剥がすところまでで、黄斑の形が改善するかは、その余計な膜がどれだけ悪影響を及ぼしていたかで変わってきます。つまり、黄斑上膜が軽く、できたばかりであれば、黄斑の形はより正常に戻りやすいですし、逆に黄斑上膜が厚く、長い期間存在していれば、黄斑の改善の度合いは小さくなっていまします。網膜、特に黄斑部に影響が出ている病気では、症状が強くなり過ぎてからでは手術による回復の程度が弱くなってしまうので、あまり進行し過ぎないで手術をすることが大事かと思います。視力に大事な黄斑を触る手術なので、しなくて済めば一番よいかもしれませんが、手術のタイミングが遅くなってしまうと、せっかく手術をしても、改善の度合いが小さく、視力が十分改善しなかったり、歪みの症状が残りやすくなってしまうため、ある程度、黄斑への影響が出始めたら、あまり先にせず手術を考えることが大切かと思います。特に、50代〜60代のお若い方では、歪みの症状があると不便な見え方になってしまいますし、その先に人生の期間を考えると、早めの手術を考える方がよいのではと感じています。

今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m

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