今日は午前が外来で午後は手術でした。手術の申し込みは、白内障1人、今日の手術は、白内障17件と眼瞼下垂1人でした。
今日の外来では他の病院の眼科に通っている糖尿病のある患者さまが『蛍光造影眼底検査をしください』という紹介状を持っていらっしゃいました。
糖尿病網膜症は血糖値が高いことで網膜の血管が障害を受け、眼底出血や網膜のシミ、むくみを生じ、ひどくなると、網膜の血流が悪くなり(虚血)、悪い血管(新生血管)や異常な膜ができ、眼の中の大出血(硝子体出血)や難治性の緑内障、網膜剥離などの重大な問題を起こしてくる病気です。
初期のうちは、定期的な眼底検査と血糖値のコントロールで眼への直接の治療は必要ありませんが、中期以降では眼への治療が必要になることがあります。しかし、初期〜中期のうちは自覚症状が無いことが多く、眼底検査だけでも治療の適応の判断が難しい場合もあります。そこで、有用なのが、この蛍光眼底造影検査で、造影剤を腕から注射し、眼の写真を撮ることで、眼の中の血流を見ることができ、虚血や新生血管の有無やその程度を判断が可能です。
血流の途絶えた無血管野(NPA)や新生血管(NV)があれば、レーザー治療を行う必要がありますが、今回の患者さまはNPAも NVも全くみられず、内科の治療を頑張りながらの経過観察でようさそうでよかったです。
最近、OCTを使って血流を評価する“OCTA” という検査も普及しつつあり、FAGを撮らなくとも、血流が分かるようにもなってきていますし、造影剤アレルギーの問題もありますが、FAGで得られる情報も多く、まだまだ重要な検査だと感じています。
当院では全ての(といっても3名だけですが)ORTがFAGを撮ることが可能で、他院からのFAGの依頼も受付ております。もしご希望がありましたら、遠慮なく申し付けください。
今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m