院長ブログ

レンズ挿入時のPCR

今日は午前は外来、午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障1人と眼瞼下垂1人でした。今日の手術は、眼瞼下垂3人、霰粒腫4人(2歳男の子、3歳女の子、5歳男の子、32歳女性)でした。

昨日の手術では、60代女性の白内障の手術で、眼内レンズを挿入する時に、水晶体嚢に裂け目ができる後嚢破損(PCRの合併症が起きてしまいました。水晶体の濁りは取り除き、あとはレンズを入れて眼の中を洗ってキズを閉じて終了というところでしたが、おそらくレンズの支えの部分が水晶体嚢に突っ張るように当たって裂けてしまったのだと思います。ただ、既に白内障の濁りは取り除いていますので、裂け目の後ろから出てきた硝子体を切除して、レンズの位置を裂け目を跨ぐように支えの位置を調整し、予定通りのレンズを嚢内固定で終えました。若干、濁りが硝子体中に回るため、飛蚊症が出ていますが、白内障の濁りが残っている訳ではないので、おそらく一時的で改善してくれると思います。PCRが起こった時に、一番心配なのは、硝子体が引っ張られることで、網膜に穴があき網膜剥離が起こることだと思っていますが、今日の検査では全くその兆候がなく、レンズもきれいにおさまり、視力も1.2まで改善していたので、よかったです。

PCRはどうしても起こる可能性はある合併症で、起こると手術時間が長引いたり、術後の見え方に影響してしまったり、網膜剥離や感染症といった更なる病態を引き起こすことがありますが、起きた後に悪い影響を残さない・引き起こさない対応が大切だと思っています。

今後も、合併症を起こさないよう、起きてしまっても大事にならないように、気をつけて手術を行なって参りたいと思ます。

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