院長ブログ

タウンニュース2023年10月

タウンニュース青葉区・都筑区・宮前区版で毎月連載させていただいている『目のお悩みQA』第回40目の今回は『他に眼の病気があると多焦点レンズは使えないのでしょうか?』というテーマで、多焦点レンズの使いにくい眼にも適応となりうる新しいタイプの多焦点レンズについて書いてみました。

以下、タウンニュースの本文です。

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 白内障の手術で眼に入れる眼内レンズには、焦点が一つの単焦点レンズと焦点が複数の多焦点レンズがあります。多焦点レンズは単焦点レンズよりも広範囲をカバーでき、特に現在、最も一般的な回折構造を利用した3焦点レンズは、遠方から近方までを裸眼で見られる、とても便利なものです。ただ、この回折型多焦点レンズは光を遠方と近方に振り分ける構造でコントラストが下がるため、白内障以外の眼の病気があると却って見えにくくなる懸念があり、全ての人に使える訳ではありませんでした。

 しかし、最近登場した「波面制御型多焦点レンズ」という新しいタイプのレンズは、コントラストを落とすことなく焦点の幅が広げられ、他に眼の病気があっても使用可能な多焦点レンズとされています。ハロー・グレアも出にくく、それを懸念する方にも使いやすい多焦点レンズです。ただ焦点深度拡張型なので、遠方から近方50㎝程度を裸眼で見えるような設計になっており、手元は若干弱く、ある程度老眼鏡の使用を覚悟する必要があります。また、眼の病気があっても使えますが、その病気の分は視力が改善しないことも承知しなければなりません。

 いくつか注意点はありますが、新しいタイプの多焦点レンズの登場で、今まで諦めていたような方にも多焦点レンズの選択肢ができたことは喜ばしいことと感じます。

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タウンニュースのコラムでは、眼に関する疑問についてお答えさせていただいております。気になる眼の症状から白内障やまぶた、硝子体の手術まで何でも構いませんので何かリクエストがございましたら教えてください。

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メール;clinic@tamaplaza-eyeclinic.com

タウンニュース青葉区版 電話;045-913-2711  FAX045-910-1120

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