今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障2人と霰粒腫1人(3歳女の子)で、今日の手術は、白内障14件、黄斑上膜の硝子体手術1件、アドオンレンズ1件でした。
眼瞼下垂などのまぶたの手術は感染が起こりにくいとされています。それは、まぶたは血流が豊富な組織だからです。しかし、先週、眼瞼下垂の手術を受けていただいた80代の男性の方が『左眼が痛くて開かなくなった』と予約外でいらっしゃり、診てみると、眉毛からまぶたにかけて赤くパンパンに腫れ、前回の手術のキズを開けてみると、膿が溢れ出るような状況で、術後の細菌感染と考えられました。
この患者さまは、右眼は一般的に多い術式の“挙筋短縮術”を行いましたが、左眼は生まれつきまぶたが上がらなかったということで先天眼瞼下垂と考えられたので、まぶたの中の骨組みのような組織の瞼板と眉毛の上のおでこの筋肉(前頭筋)を皮膚の下にゴアテックスのシートを通してつなぐ”吊り上げ術“を行っていました。右眼は全く問題ありませんでしたが、左眼の方で感染症が起きてしまいました。まぶたは感染に強いとされていますが、人工物を入れる場合は、その限りではなく、今回は、右眼の手術をして、左眼の手術に移ったため、片眼だけの手術よりも時間がかかり、ゴアテックスシートに細菌が付着してしまったのではと思われました。
今日はキズを開け、殺菌液(PAヨード)と生理食塩水で膿を洗い流しましたが、しばらくは洗浄しても感染が治らない場合は、ゴアテックスシートの取り出しが必要になるかもしれません。せっかく入れたシートなので、なるべくはそのままにしたいところですが、シートが細菌の温床になっている場合は、それを取り除くことが有効で、感染を抑えないことには、まぶたも上がらないので、取り出しやむを得ない場合もあります。患者さまには申し訳ないですが、しばらく洗浄させていただき、なんとかシートはそのままに感染を抑えられればと思います。
今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m