院長ブログ

10分と50分

今日は午前が外来で、午後はまぶたの手術でした。
手術の申し込みは、白内障3人と霰粒腫2人(6歳女の子、45歳女性)で、今日の手術は眼瞼下垂が4人でした。

昨日の手術では、眼内レンズ交換が2件ありました。

一人は50代後半の男性で2023年7月に入れた単焦点レンズ(HOYA255)を度数を少し近くに変えるための手術、もう一人は70代後半の女性で、2022年10月に多焦点レンズ(FineVision)を使った白内障手術を受け、術後の見えにくさが多焦点レンズに由来するものと思われたため、単焦点レンズに入れ換えるために手術を行いました。

この二人の手術時間は、最初の50代の方が約10分、70代の方は約50分でした。よく眼内レンズ交換の難しさについて、最初の手術からどれだけ経っているか?という点に注目されがちですが、確かに初回白内障手術からの期間が4か月と13か月と差がありました。しかし、その期間だけの単純な話ではなく、入っているレンズでいうと、HOYA255は全長がやや短く癒着が起こりにくく、レンズの素材も柔らかいのですが、FineVisionは2つの輪っか状(ミッキーマウスの耳がくっついたような感じ)の支えが上下についた形状をしており安定する代わりに、癒着はやや出やすいようで、癒着がなかなか外れず、1か所支えを切断して取り出す必要がありました。また、一番厄介だったのは、70代の方は既に後嚢切開がされていたことで、後嚢の切開部がなるべく広がらないように、慎重な操作が必要だったことと、新たなレンズを後嚢の開いた残った水晶体嚢の中に収めるのが結構、難しかったです(タイヤ状の水晶体嚢にレンズを入れる感じです)。嚢外固定にすれば、もう少し簡単にレンズを入れられたかと思いますが、残った水晶体嚢が使えそうだったので、できれば嚢内に収めたいと思いました。ただ、開いている後嚢の切開部から後ろ側の硝子体があまり出てこないでくれたので、硝子体を器械で切除するような処置はしないで済んだのは幸いだったと思います。

結果的には、初回の白内障手術からの時間が短い方で、レンズ交換の手術時間も短く済みましたが、入っているレンズの種類や、後嚢を含めた眼の状態によって、その難易度はだいぶ変わってくるかなと思っています。

お二人ともなんとか無事予定のレンズに入れ換えることができてよかったです。

今週も皆さま、お疲れ様でしたm(_ _)m

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