院長ブログ

緑内障評価のための白内障手術

今日は午前が外来で午後は手術で、手術の申し込みは、白内障2人と霰粒腫1人(2歳女の子)、今日の手術は、白内障12件、ICL1人、黄斑上膜の硝子体手術1件、緑内障手術1件でした。

今日の外来では、11月に他院で『白内障の手術を受けたけれど、手術の前より見えにくくなった』と70代後半の男性がいらっしゃいました。よくよく話を聞くと、数年前に近くの眼科で緑内障の疑いがあると言われたものの、コロナで受診が途絶えてしまい、久しぶりに受診したところ、白内障が進行していて、評価ができないために、大学病院へ紹介とななり、白内障の手術を受けたそうです。

眼内レンズもきれいに入っており、度数も予定通りの近方に合っており、手術としては全く問題なく行われていたと思いますので、普通に考えれば、白内障が取れた分、見え方はよくなったのではと思います。しかし、ご本人の感覚としては、『前は眼鏡をかけて新聞が読めていたのに、今は読めない』と悪くなったと感じているようでしたが、視野検査ではかなり視野が狭くなっていますので、もし実際に術後に見えにくくなったのであれば、手術の侵襲で緑内障が悪化し、視野が狭くなったことで見えにくくなってしまったのかなと思いました。

今回の患者さまのように緑内障などの他の病気を正確に診断するためだったり、糖尿病網膜症でレーザー治療を行うために白内障の濁りを取り除くことが必要になることがあります。その際、手術の侵襲によっての原疾患の悪化や、屈折度数の変化などで、手術をして見えにくくなったと感じてしまうケースもなくはないかと思います。でも、他の病気の検査や治療のためには白内障の手術をしなければならない状況でした訳ですので、状況を受け入れ、その病気の治療をしっかりしていくことが大事だと思います。

今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m

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