今日は午前は外来、午後は手術でした。
手術の申し込みは、眼瞼下垂1人でした。
今日の手術は、眼瞼下垂1人、内反症2人(12歳男の子、15歳女の子)、霰粒腫4人(1歳男の子、5歳男の子、15歳男の子、45歳女性)でした。
昨日の手術では、50代の女性の眼内レンズの取り出し(レンズ摘出)をさせていただきました。この患者さまは、6年前に他院で右眼の白内障の手術を受け、その後から、頭痛や眩暈などの違和感や不快症状に悩まされるようになり、レンズの摘出を希望されました。円錐角膜があるため、裸眼視力は0.3程度でしたが、レンズ自体はきれいに入っており、診察や検査上は手術や経過に問題ないように思えましたので、レンズを取り出して症状が改善するのかは正直、分かりませんでした。また、手術にはリスクもありますし、かえって見えにくくなってしまう可能性もなくはありませんでしたし、所見上、問題ない眼に対しての治療で保険診療の適応にはならず、手術するとなると自費での対応をせねばならない問題もありました。しかし、それらを考慮しても、なんとしてもレンズを取り出したいとおっしゃってくださり、その真剣で切実なお気持ちがとても伝わってきましたので、この手術を引き受けよう、というか、引き受けなければならないと思い、手術をさせていただきました。
白内障の手術から6年経っていましたが、幸い、レンズの癒着は剥がれ、きれいにレンズを取り出すことができ、術翌日の今日の診察でも眼の状態は非常にきれいで、不思議なことに裸眼視力も0.4と思った以上に見えていて、何より、ご本人の感じ方が、『今までのイヤな見え方、症状がなくなりました』とおっしゃってくださり、本当によかったです。僕が診て問題となる所見がなく、医学的な見地からは根拠が持てなくとも、患者さまが異常と感じることはあり、その感覚を信じて治療すると改善することもあるというよい例だったかもしれません(僕のところへいらっしゃる前にもいくつもの眼科を受診され“問題ない”と診断を受けていたそうです)。この患者さまは遥々、広島から来てくださいましたが、遠くからでも来た甲斐があったと思ってくださったら、よかったと思います。頑張って、手術を受けてくださり、ありがとうございました。