今日は午前が外来で、午後はまぶたの手術でした。
手術の申し込みは、白内障2人、眼瞼下垂1人、硝子体手術(強膜内固定)1人、今日の手術は眼瞼下垂が4人でした。
昨日の白内障手術の60代の女性の方は、当院に来る前に受診した眼科では、『手術不可』と言われていたそうですが、確かに白内障の濁りが表面は真っ白で中はまっ茶色の“過熟白内障”で、尚且つ、水晶体の支え(チン小帯)が弱い、ちょっと大変な白内障でした。白内障が真っ白になっていると、水晶体の表面を切開するCCCという操作がしにくいのですが、なんとか無事CCCを完成させましたが、水晶体の内部の濁りがかなり硬く、超音波で破砕吸引するうちに、元々弱いチン小帯に負荷がかかり、眼の壁から水晶体嚢が外れてしまう“チン小帯断裂”が起こり、なんとか水晶体の濁りは取り除いたものの、水晶体嚢は残すことができませんでした。このようなケースでは、眼内レンズを眼の中に入れるために、レンズの支えの部分を眼の壁に埋め込む“強膜内固定”という方法を行っています。本当は一度の手術でレンズを入れるところまで行いのですが、当院では強膜内固定用のレンズはその都度、発注する必要があることと、手術時間が1時間くらいかかってしまい、その後の患者さまを皆さんかなりお待たせしてしまうことになってしまうため、レンズの入らなかった患者さまには申し訳ないのですが、強膜内固定は後日改めて行わせていただいております。
水晶体や眼内レンズのない“無水晶体眼(アファキア)”の状態では、ピントが合わないので、裸眼ではかなり見えにくく不便をしてしまいますが、きちんとレンズを入れれば、見えるようになりますので、心配せずにお待ちいただければと思います。ちなみに、この患者さまは術前は手動弁でほとんど見えませんでしたが、濁りが取れたので、アファキアでも0.03と少し見えるようになっていました。来週の水曜日に強膜内固定を予定させていただいたので、もう少しお待ちください。
今週も皆さま、お疲れ様でしたm(_ _)m