院長ブログ

話を聞く大切さ

今日は一日外来で、手術の申し込みは、白内障5人、眼瞼下垂1人、霰粒腫3人(4歳男の子、7歳女の子、9歳女の子)でした。

今日、眼内レンズの入れ換えのご相談でいらっしゃった40代半ばの女性の方は、他院で左眼を昨年の4月に、右眼を11月に多焦点レンズを使った白内障の手術(右眼はファインビジョン 左眼はパンオプティクス)を受け、右眼の見え方がかすんでおかしいということで受診されました。右眼の視力は遠方1.2 中間1.0 近方0.8と十分良好で、左眼よりもよいくらいで、レンズもきれいに入っており、所見上は術後の経過としては、全く問題ないと思いました。ただ、視力自体は良好なものの、左眼に比べると、レンズの入っている袋(後嚢)の混濁がやや目立ち、後発白内障が影響しているように思われました。後発白内障自体は、YAGレーザーで簡単に治療(後嚢切開)できるので、心配ないのですが、後嚢切開をしてしまうと、レンズの交換が難しくなってしまうので、レンズの入れ換えの可能性があるならば、もう少し後嚢を温存し、経過をみながら、やっぱり後発白内障が見えにくさの原因であれば、徐々に今より見えにくくなってくるので、そうなれば、より判断しやすく、後発白内障の治療をしたらよいのではとお話しさせていただきました。

前の手術をしてくれた施設では、心の病気だとか、頭が悪いのかなんて言われ、話しもちゃんと聞いてくれなかったそうです。もちろん、眼そのものに問題がなく、精神的な原因や内科的な病気が原因のこともありますが、やっぱり患者さまの声を聞くことは一番、大切だと思います。話を聞くことで、原因をみつけるヒントになりますし、何より、患者さまが何に困っていて、どうしたいかは、治療の選択と進むべき方向を示してくれます。どんなに医学が進歩しても、患者さまの話を聞くことの優先度はずっと変わらないと思います。時間が限られてしまうこともありますが、なるべくしっかり声に耳を傾けた診療を心掛けていきたいと思います。

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