院長ブログ

ラストアイ

今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障2人、今日の手術は、白内障13件(アイステント併施1件)、黄斑上膜の硝子体手術1件、眼内レンズ交換+線維柱帯切開1件でした。

今日、白内障手術を受けていただいた44歳の男性の方は、僕が昭和大学藤が丘病院にいた頃からの患者さまで、糖尿病網膜症で手術をしたものの、右眼は失明、左眼も0.3くらいの視力で経過していましたが、最近、白内障が進み、見えにくさが強くなってきたため、今回の手術となりました。人間に眼は2つしかありませんが、片眼を失明された方は、残されたもう一つの眼は見える唯一の眼“ラストアイ”といわれます。両眼とも健常であれば、片眼の手術がうまくいかなくてもいいじゃないか、、、とは思いませんが、現実的には、片眼失明のラストアイはより慎重に対応しなければならないと思っています。手術のタイミングも早過ぎる必要はありませんが、かといって、遅ければ遅いほどよいということもなく、必要かつ安全性が担保できる時期に行うことが望ましいと思っています。片眼が見えない方、特にその眼を手術で失明している方にとって、残る唯一の眼の手術は慎重にならざるを得ない気持ちも分かりますし、きっと手術に対するご不安も大きいと思います。ただ、やっぱり手術にはタイミングが重要です。単に病気の進行度だけでなく、眼全体の問題や年齢、どのような生活(お仕事など)をされているかなどに加え、その患者さまの考えや気持ちも可能な限り推測して、適切だと思う時期に手術を提案できるようにしたいと思っています。それでもまだ手術はしたくないという気持ちが勝れば、もちろん、必ずしも手術しなくてよいですが(病気によってはしないといけませんが)、手術した方がよいとお伝えしたということの意味も少しはご理解いただけるとうれしいなと思います。

今日の44歳の男性の方の白内障は、虹彩が水晶体に癒着して、瞳孔も開きにくく、ちょっと大変でしたが、無事終わってよかったです。糖尿病網膜症があり、眼底の状態にもよりますが、少しでも視力が改善して、まだまだ長い人生が少しでも明るくなってくれるといいなと思います。

今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m

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