院長ブログ

粘液腫?

今日は午前は外来、午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障2人と結膜弛緩切除1人でした。
今日の手術は、眼瞼下垂3人、霰粒腫3人(4歳女の子、5歳女の子2人)でした。

今日、一応、”霰粒腫“で切開を行なった5歳の女の子は、半年前から右の上まぶたにしこりができて点眼をしても治らないと昨年11月に受診されました。“一応、霰粒腫で”というのは、霰粒腫でない可能性もあるかと思ったからで、実際、切開すると、通常はまぶたの中の瞼板からしこりが発生する兆候があることが多いのですが、この子のしこりは、まぶたの縁から直接出ているようで、霰粒腫とはちょっと違う印象でした。少なくとも悪性腫瘍という感じもありませんでしたが、切除したしこりは顕微鏡の検査(病理検査)へ提出させていただきました。その結果が出るまでは、はっきりしたことは言えませんが、前に同じような年齢の女の子のまぶたにできて切開した“粘液腫”に似ているなと思いました。以前、粘液腫の切開を行った女の子は、検査結果から“カーニー複合”という全身性に粘液腫や内分泌系の病気を生じる症候群についての検査を勧められ、小児科で精査していただいたところ、カーニー複合が考えられるという返答をいただきました。粘液腫は単発でできることもありますが、このような疾患が背景にある場合もありますので、明らかな霰粒腫は病理検査をしていませんが、ちょっとでも怪しいと感じれば、病理検査をすることも大切と思いますし、検査結果によっては、念のためになってしまうかもしれませんが、ちゃんと全身を診てもらうことも必要かと思います。過剰過ぎるのもよくないと思っていますが、あの時ちゃんと検査していればと発見が遅くなってしまうよりは、取り越し苦労になってしまっても調べてなんともないと思えた方がよいと思います。

病理検査や全身の検査をというと、心配になってしまう方もいらっしゃると思いますが、その先に余計な不安を抱えないための検査になりますので、ご理解、よろしくお願いいたしますm(_ _)m

 

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